担当教員
森 篤史(徳島大学.理工学部理工学会.情報光コース)
目的
本科目は、材料系の科目である.
材料の平衡状態での性質を理解するために必須の熱力学の考え方と方法に慣れ親しむ.
併せて、熱力学の基本的な概念と知識のいくつかを学ぶ.
概要
前半(到達目標1)8回と後半(到達目標2)8回それぞれひとまとまりの授業を行なう.
7回は講義を中心とした授業を行う.演習を行い、レポート(演習レポート)を課す.
8回目の受業に基礎知識を問うような簡単なテストを行う.
また、到達目標1および2について、それぞれ課題を出し、レポート(課題レポート)を課す.
レポート課題および締切は、授業中に示す.
レポート課題は、自宅でじっくり考えることを行わせるようなものとする.
8回目の授業では、講評を行う.
ここに記したのは原則であり、詳細は「計画」の通りである.
要件
復習を前提として授業を進めます.また、教科書は必ず購入して下さい.
注意
授業には、学生証を持って出席して下さい.
授業の崩壊に繋がる行為が行われた場合は、学生証によって確認を行い,
不正行為と同様に対処します.
理工学部の規則には、工学部規則第4条に相当するものが明記されていませんので、注意して下さい.
目標
- 熱力学第一法則、熱力学第二法則
- 自由エネルギーと化学平衡、相平衡と溶液
計画
- 目標1-1: はじめに;序論:熱力学、状態量、温度、理想気体
- 目標1-2: 序論:気体分子運動論、実在気体、気体の液化
- 目標1-3: 熱力学第一法則:状態量の性質、仕事と熱、熱力学第一法則、準静的過程、エンタルピー、熱容量
- 目標1-4: 熱力学第一法則:Jouleの法則、気体の熱容量、相変化に伴う熱量、反応熱、反応熱の温度依存性、理想気体の断熱変化
- 目標1-5: 演習1;熱力学第二法則:Carnotサイクル、熱力学第二法則、可逆過程と不可逆過程
- 目標1-6: 熱力学第二法則:熱機関の効率、熱力学的温度、Clausiusの式、エントロピー
- 目標1-7: 演習1提出;熱力学第二法則:エントロピーの計算、エントロピーの分子論的意味、熱力学第三法則、標準エントロピー、レポート1出題
- 目標1-8: 試験1、演習1の返却と講評
- 目標2-1: 自由エネルギーと化学平衡:自由エネルギー、平衡条件、熱力学の関係式、開いた系
- 目標2-2: 自由エネルギーと化学平衡:化学ポテンシャルの性質、理想気体の化学ポテンシャル、質量作用の法則
- 目標2-3: 自由エネルギーと化学平衡:標準生成Gibbsエネルギー、平衡定数の温度変化、熱力学と平衡定数
- 目標2-4: 演習2;相平衡と溶液:相律、二成分系の相律、Clapeyron-Clausiusの式
- 目標2-5: 相平衡と溶液:理想溶液、Raultの法則
- 目標2-6: 演習2提出;相平衡と溶液:部分モル量、希薄溶液、Henryの法則
- 目標2-7: 相平衡と溶液:沸点上昇と凝固点降下、浸透圧、活量、レポート2出題
- 目標2-8: 試験2、演習2の返却と講評
評価
前半(目標1)、後半(目標2)ともに、小テスト(15点程度)と演習レポート(10点程度)と課題レポート(25点程度)の50点満点づつで評価する.
何れの到達目標についても,60%以上の出席日数がなければ採点しない
(60%は,工学部で規定された定期試験の受験資格です).
何れの到達目標についても60%以上で合格とする
(合計点で60%を超えていても、片方が 60%以下なら、科目合格とはならない).
再評価
到達目標ごとに再試験または再レポートによって評価する.
注:年度を越えて到達目標ごとの合格を希望するものは、既に合格している科目項目については、
自己申告すること(ただし、合格最低点の扱いとする).
年度を超えての再試の扱いは、「特別履修」の制度のない学年には適用されません.
JABEE関連
B [系統的な専門教育課程のもとで光技術に関わる課題を
創造的に見出し、与えられた制約の下で解決できる
能力の育成]
対象学生
情報光システムコースおよび光応用工学科2年(上級学年の再受講,その他許可を受けたものを含む)
教科書
原田義也著「化学熱力学」(裳華房)
参考書
- 原島鮮著「熱学・統計力学」(培風館)
- 「統計力学」についても言えることであるが、
良書から悪書まで多数のものがある.
URL
http://cms.db.tokushima-u.ac.jp/DAV/person/S10802/education/ThDyn-17/index.html
備考
- 「丸暗記した正解を試験時間内に答案として書き記す」
ことは有害であることを皆さんも認識して下さい.
正解待ち症候群を助長しないよう努めます.
-
レポート等、提出物はすべてA4縦置き横書きに限る.
また、必要な場合は、左上をホッチキス留めすること.
タイトルページに必要事項が記載されていないなど形式違反等は、受理しないこともあるし、減点の上受理することもある.
- 提出物は、学生各自がコピーを保管されたい.特に、指定日以外に提出する場合は、
提出物の受領を保証できないので、強く薦める.
- オフィスアワーは,随時とします.
超多忙でない限り,仕事の手を止めて対応します.
ただ、仕事の書類などがテーブルの上に散乱したままの対応になることについては、
ご容赦下さい.
(尚、通常の講義+オフィスアワーによってのみでは単位取得が困難で、
「超過勤務相当のエキストラの補講」を必要とするような場合は、担当教員のみでは対処できません.)
- 授業担当教員は、免疫抑制剤を服用している難病患者です.
これに関連し、インフルエンザ等の場合の出停期間を厳守すること等は当然とし、
それ以外にも他の学生の指導や他の職務に支障を来たすような事態を避けることに協力を求めます.
具体例は、次のようなものです.
- 再試験等による成績の訂正は、3月に入ってからは行わない.
- 原則として担当教員に相応の瑕疵がない場合は、担当教員が学務係へ出向いての処理や担当教員が学科長・教務委員に特別措置のお願いすることはしない.
- 担当教員の他の職務に支障が出た場合は、再試等の対応を断る.程度によっては、履修取り消しとします.
(H29.5.31;改訂H29.6.8)