2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
歴史と文化 / History and Culture
江戸時代後期の社会変動と明治維新
教授・桑原 恵 2単位 後期 火(1・2) 全(全)
歴史学は,過去に人間が社会をどのようにつくり,そのときの社会が抱える問題を解決してきたかを知ることのできる学問である.社会の組織やそれぞれの社会の通念などは,個々の人間から見れば,既成のもののようであるが,歴史的に見れば,すべて人間が作り上げたものである.講義では,歴史学を単なる暗記の学問として,過去の研究成果から得られた通説的理解のみを学生に講義することはしない.史料に基づいて,歴史学的に物事を考察する方法を講義したいと考えている.
本講義では,歴史をこのような観点から捉え,江戸時代後期の社会変動と明治維新の過程について講義する.講義では,出来うる限り,史料を提示し,その意味と歴史的意義付けについて説明しながら,講義を進めていく.そして,日本の近代化過程における国民形成の意味についても考察したい.
江戸時代,明治維新,社会の変化,民衆の思想
近世後期から明治維新期に起こった,社会変化の様相を,史料に基づきながら理解する.
1.本講義について講義の進め方と江戸時代の概要
2.幕藩体制の動揺と社会の変化 l
3.幕藩体制の動揺と社会の変化 ll
4.流通構造の変容
5.農村の変容
6.都市問題の状況と都市政策
7.疲弊する農村
8.農民に広がる民主化
9.社会不安の増大
10.不安に対処する思想
11.尊皇思想の登場
12.尊皇攘夷運動の思想について
13.尊皇攘夷運動と幕末の政局
14.明治維新の政治過程
15.明治初期政権について
16.総括授業
教科書は,指定しない.授業中使用するプリントと資料は適宜配布する.,参考となる本は,講義中に適宜紹介する.
講義中に行う小テストと,期末試験によって評価する.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
桑原(088-656-7157, megumi@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 水曜日11時50分から12時50分 総合科学部1号館3階
暗記中心のテストは実施しない.理解しやすい講義とするために,受講生の質問なども歓迎する.