2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
歴史と文化 / History and Culture
異文化/自文化研究へのいざない
助教授・髙橋 晋一 2単位 前期 月(1・2) 全(全)
「地球時代」を迎えた今日,われわれの生きている社会,およびそこに見られる文化は日々大きく変化し,ますます複雑なものになってきているが,文化人類学の大きな課題の一つは,このような社会·文化の複雑な網の目を解きほぐし,その奥にある社会·文化の本質を洞察することにある.本講義は,異文化および自文化の本質を客観的に捉える視点を身に付けることを通じて,同じ地球に生きる他者(および自己)の理解に寄与することを目的とする.
本講義では,文化人類学の幅広い研究領域の中から,特に基本的なテーマ,現在われわれが生きている社会·文化を理解するのに有益であると思われるテーマをいくつか取り上げ,概説する.講義では,世界の諸民族の文化のみならず,われわれの身近な生活文化(年中行事,ポピュラー音楽,ファッションなど)も積極的に取り上げる.
異文化理解,現代社会,文化人類学,グローバリゼーション,民俗学
歴史と文化
文化人類学の基本的な考え方·理論を理解し,それを元に人間社会·文化の構造や意味の分析を行うことができる.
1.文化人類学の考え方-イントロダクション
2.異文化理解の視点-アイヌのイヨマンテの事例より
3.ウチなる世界とソトなる世界-共同体の構造理解
4.何のための儀礼?-儀礼論のパースペクティヴ
5.文化と死生観-よりよく生きる/死ぬための知恵
6.男らしさ·女らしさとは何か?-ジェンダーの人類学
7.人間にとって「癒し」とは何か-医療人類学の世界
8.音楽が語るもの-民族音楽学の世界
9.都市の深層を読む-都市人類学の世界
10.日本人とクリスマス-文化の受容と変容
11.衣食住の文化人類学(1)-住まいの文化
12.衣食住の文化人類学(2)-装いの文化,食の文化
13.私は何人(なにじん)?-民族とエスニシティ論
14.世界をめぐる日本文化-グローバリゼーションとポピュラー·カルチャー
15.開発,環境と観光-文化人類学と現代世界
16.総括
教科書は使用しない.毎回,授業中にプリントを配布する.以下に挙げる概論·入門的な参考書のほか,個々のトピックに関する参考書については,講義の中で随時紹介する.,山口昌男『文化人類学への招待』岩波新書,1982年,船曳建夫『文化人類学のすすめ』筑摩書房,1998年,山下晋司編『文化人類学入門』弘文堂,2005年,21世紀研究会編『常識の世界地図』文春新書,2001年
本授業の成績評価は,授業への取り組み状況,授業時間中に随時行う小テスト(各回の授業内容の理解度を確認する簡単なテスト)の点数,期末レポートの点数を総合して行う.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
髙橋(1314, 088-656-7126, takahasi@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 前期 月曜日 12時∼13時 高橋研究室(総合科学部1号館3階)
受講者の理解を助けるため,授業の中ではビデオ,スライド,CD,パソコン(パワーポイントによるプレゼンテーション)などの視聴覚教材を多用する.フィールドワークを「疑似体験」しながら,文化現象の意味について考えてもらいたい.