2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
生活と社会 / Living and Society
政治とメディア
助教授・饗場 和彦 2単位 前期 月(9・10) 全(全)
政治の一つの本質は「権力」にあるが,マス·メディアは「第4の権力」とも言われ,政治と密接な関係がある.また,自由な報道は国民の知る権利,思想/信条の自由をささえるため,民主的な政治制度においては不可欠であるが,他方,プライバシーの問題をはじめ多くの批判もある.この授業では,こうした政治とメディアの問題について,具体的なテーマを取り上げつつ,基本的な知識と考え方を学ぶ.
政治とメディアに関する基本的な概念,考え方を理解すると同時に,具体的な問題について知識を深める.筆者は以前,新聞記者をしていたので,その経験に基いた視点からも解説する.国内政治,国際政治を問わず,適宜,時事ニュースも扱う.実際の新聞記事やテレビ映像も多く紹介する.
現代社会における政治の問題と,メディアの問題について関心を深め,基礎的な知識,考え方を修得する.
1.1 イントロダクション
2.2/3 政治とは何か -地球上にあなた一人しかいないなら政治は必要か-
3.4/5 新聞の読み方 -各紙言うことが違う?活字を信じすぎるな-
4.6/7 政府と市民 -日本はどんどん「茶色」になっている?-
5.8/9 メディアの功罪 -イラク戦争の実態を私たちは知っているのか-
6.10/11 国家と戦争 -靖国神社に参拝すべきか-
7.12/13 憲法改正 -あなたは改憲派?護憲派?-
8.14 まとめと補足説明
9.15 試験
10.16 試験の解答に関するフィードバック
教科書は特に指定しない.授業中に配布する資料などにそって講義を進める.参考書などは初回の授業で紹介するが,たとえば以下の書籍など.『政治学がわかる.』(朝日新聞社,2003年),『新マスコミ学がわかる.』(朝日新聞社,2001年),加藤秀治郎·中村昭雄『スタンダード政治学(新版)』(芦書房,1999年),馬渕勝他『はじめて出会う政治学』(有斐閣,1997年),高木徹『戦争広告代理店』(講談社,2002年,1800円)など.
期末の試験はあらかじめ問題を提示するので,試験日までに準備し,当日は持ち込み禁止で解答する.また,平常点として授業姿勢と出席状況を評価する.おおむね試験60%,平常点40%.
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饗場(088-656-7186, aibak@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 毎週火曜日 15時ごろ∼16時20分ごろ,総合科学部1号館2階北棟
イラク問題のテーマを扱う際,現地で支援活動をしているNGO(東京)の代表が話題提供を行う予定.一般のメディアでは流れない映像も紹介される.「これまでの人生の中で一番感動した話だった」(昨年度の受講者の感想)と,毎回反響が大きい.また,日頃から新聞やテレビの報道に関心を持つように.