2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 |
EDB |
生活と社会 / Living and Society |
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身のまわりの法律問題 |
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[旧カリキュラム] 授業科目名: 法律学
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助教授・西川 義晃 2単位 後期 木(11・12) 全(夜間主) |
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授業の目的 |
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法律学は法律の解釈·適用に関わる学問であることはもちろんですが,それだけに止まりません.すなわち,法律学を学ぶ目的として,「リーガル·マインド」を養うことが挙げられます.「リーガル·マインド」とは,大まかには,問題の所在·議論の対立する論点を整理·分析し,その論点について根拠に基づき論理的に結論を導く能力であるといえます.さまざまな要素を考慮し,複数の見解を参考にして,自分の頭で考えるということです.また,法律学には「正しい」答えがありません.もちろん良識にかなった答えである必要はありますが,根拠が説得的であるか否かが問われるのです.本講義では,実際の裁判例や,皆さんの身近にあって議論の対立する問題を取り上げ,これを検討することで,こうした思考力を養うことを目指します.こうした能力は,日本の社会が司法制度改革を進め,「法化社会」へと構造転換を遂げていく中,皆さんにとって大きな力となることでしょう. |
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授業の概要 |
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講義を前半と後半に分け,前半の7-8回では具体的な裁判例を紹介しつつ,「法」とは何かという問題について考えてみたいと思います.また,日本の裁判制度について講義し,こうしたことを通して「法的なものの見方」に触れていただきたいと思います(下記,講義計画1∼2).後半では,社会で話題になることの多い問題を取り上げ,検討していきます(下記,講義計画3∼12).検討の手順として,まずその問題がどういった法分野に関わるのかなどにつき説明し,また,各論点について現状や問題の所在を考察した後,皆さんの考えを聞きつつ,法制度がどういった対応をしているのか講義していきます.本講義は全16回行われます.14回目まで授業,15回目に試験,16回目に総括授業を行います. |
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キーワード |
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双方向授業,「法」とは何か,社会問題·身近な問題の法的考察 |
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到達目標 |
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自分の頭で物事を考え,根拠のある意見を述べられるようにする. |
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授業の計画 |
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1. | 法とは何か |
2. | 日本の裁判制度 |
3. | 死刑制度 |
4. | 夫婦別姓(選択的夫婦別氏制度) |
5. | 遺伝子組換え食品 |
6. | 公立学校の週休二日制 |
7. | 男女共学(特に公立学校の場合) |
8. | 代理母 |
9. | 脳死と臓器移植 |
10. | 安楽死·尊厳死 |
11. | 少年犯罪の厳罰化 |
12. | 犯罪報道と人権問題 |
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授業のタイプ |
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講義 |
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教科書 |
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特に指定しません.必要に応じてレジュメを配付し,参考文献を紹介します.受講者は六法を持参してください(『デイリー六法』『ポケット六法』『コンパクト六法』のいずれかで結構です). |
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参考資料 |
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講義中,適宜紹介します.法律·法学に関心のある人のために,参考書として,喜成清重『中·高校生のための法律ガイド〔2版〕』(民事法研究会·2005年),池田真朗ほか『法の世界へ〔3版補訂〕』(有斐閣·2005年)を挙げておきます.前者は著者が司法書士であるため,最後に司法書士について詳しい紹介がされています.本書を手に取る場合には,その点を多少割り引いて下さい. |
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成績評価の方法 |
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学期末に筆記試験を実施します.授業中の発言を平常点として加点する予定です. |
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WEBページ |
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http://www016.upp.so-net.ne.jp/y-nishik/ →コンテンツサーバ (EDB/CMS) |
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連絡先 |
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西川(088-656-7174, y-nishik@ias.tokushima-u.ac.jp) オフィスアワー:
オフィスアワー:水曜7·8講時,研究室:商法研究室(総合科学部1号館中棟2階) |
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受講者へのメッセージ |
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講義全体を通して,受講生に発言を求め,授業時間内の発言を平常点として試験に加点する予定です.熱心に参加する人を希望します. |