2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
自然と技術 / Science and Technology
ゼミナール「自然科学の観察からレポートまで」
教授・石田 啓祐 2単位 前期 月(3・4) 全(全)
自然科学系のレポートがどのようなものであるかを理解し,書くための基本を身につけることを目的とします.データに基づいて,短く論理的な文章をまとめるための工夫や,読者が理解するために必要不可欠な事柄とは何かを考えます.実際の観察に取り組みながら,その大切さを理解し,考察の仕方を深めます.
地球科学的な事象を例にとって,授業を進めます.レポートをまとめるためには,書き方の工夫とともに,まず書くための動機や主題の設定が大切です.観察による事実や実験で得たデータとは何か,それらに基づく考察とは何かを区別し,明示するためにはどうしたらよいかを,発表·討論を交えて考えます.
レポート作成法,データの整理,文献の検索,事実と推論,観察と考察
自然科学系における観察の大切さが理解でき,レポートのまとめ方が修得できること.
1.自然科学系のレポートとは何か? (文章の役割)
2.動機から主題の選定まで (準備作業の大切さ)
3.文章の組み立て (章立ての工夫)
4.事実と意見 (事実の記載と考察の区別)
5.メモの準備 (記録の仕方)
6.データを収集しよう(情報の収集や観察の仕方)
7.観察事項を発表しよう (お互いのものの見方,とらえ方を知ろう)
8.データを確かめよう (検証の大切さ)
9.考察してみよう (お互いのものの見方を確かめ,論理的なとらえ方を考えよう)
10.資料の収集と整理 (文献の検索)
11.レポートをまとめてみよう (構想を練り,文章にまとめるには?)
12.はっきり言い切る姿勢 (何をどこまで表現できるか?)
13.互いの原稿を読み比べよう(レビューの大切さ,原稿の改訂)
14.レポート内容を発表しよう(話す立場,聞く立場,意見交換)1回目
15.レポート内容を発表しよう(話す立場,聞く立場,意見交換)2回目
16.総合討論(総括授業)
講義
【教科書】木下是雄著,「理科系の作文技術」,中公新書624,ISBN-12-100624-0,700円
課題レポート(50%)と毎回の授業での積極的な取り組み態度(集中力,持続力,観察力,考察力,質疑·応答·発表によるゼミ参加者·クラスへの貢献等50%)により,総合的に評価します.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
石田(総合科学部3号館2階南2S04, 088-656-7243, ishidak@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 毎週 月曜日 12時∼13時 地球物質研究室(3号館2階南)
身の回りの自然や物事に興味が持て,感動できることのすばらしさを共有したいと思います.それには努力も必要です.「お客様」としての受講は遠慮下さい,受講する以上,クラスでの役割も果たしてもらいます.自然科学とくに地球科学,地球環境に関心のある意欲的な学生,将来その分野を志す学生を望みます.問題意識を持って,積極的に受講してほしい.ゼミ形式で,週末に博物館等を利用した観察実習などを含みます.時間割に指定した時間に行う授業と,週末を利用した学外(博物館等)での観察実習等とを組み合わせた授業構成になります.合計15回分で,どちらにも出席することが前提です.質問等は,e-メイルでも受け付けます.人数に制約があるので,初回に調整を行うことがあります.
「観察」は直接物事に働きかけてはじめてできることで「観る目」を養うことが大切です.インターネット検索や,写真の解説を「見る」のとは別であることを体得して欲しい.