2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 |
EDB |
自然と技術 / Science and Technology |
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天然に産する無機物質-鉱物 |
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[旧カリキュラム] 授業科目名: 地学
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講師・沼子 千弥 2単位 後期 月(1・2) 全(全) |
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授業の目的 |
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地球科学だけでなく無機化学,材料科学,物性物理にも関連が深い,鉱物と結晶についてその基礎を理解することを目的とする. |
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授業の概要 |
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世の中の物質はすべて純物質と混合物に分類され,純物質はその構成元素の比率から組成式という化学的な表記が与えられることはすでに学ばれていると思う.さて,例えば純粋な炭素(C)だけで構成された物質が個々にいくつかあったとして,それらは全て同じ物質的性質を示すだろうか.答えは否である.炭素のみで構成されているダイヤモンドは最も硬い物質のひとつとして知られているが,同様に炭素で構成されるグラファイトは色も黒く鉛筆の芯として使えるほど軟らかい.これらの性質の違いの生じる大きな要因の一つが,物質の持つ結晶構造である. 本講義では,天然に産する鉱物を中心に,無機固体物質の特性やその結晶構造との関係,構成元素の種類による物質としての性質の違いについて講義を行う.そのなかで,無機固体物質の性質を調べるために実際に研究の現場で使われている研究手法についても触れる. |
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キーワード |
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鉱物,結晶,結合様式,物質科学的特性 |
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関連科目 |
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自然と技術 |
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到達目標 |
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物質を構成している原子やイオン,また物質が形成される際に関与する化学反応の基礎が理解できる.化学組成と結晶構造により定義された天然の無機固体物質「鉱物」という概念を理解することができる.生成物の性質に大きく関与する結晶と結晶構造に関する基礎的な知識を身につけ,結晶構造と物質の性質の関係についての認識を深める. |
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授業の計画 |
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1. | 天然に産する無機固体物質 鉱物 |
2. | 宝石·貴石など鉱物の価値 |
3. | 結晶と結晶構造 |
4. | 鉱物の多形と同形 |
5. | 物質の3態と相図 |
6. | 原子の構造,電気陰性度 |
7. | 原子やイオンの大きさ |
8. | 鉱物を形成する反応(1) 酸·塩基反応 |
9. | 鉱物を形成する反応 (2)ルイス酸とHSAB則 |
10. | 鉱物を形成する反応 (3) 錯形成反応,酸化還元反応,沈殿反応 |
11. | 鉱物の中に存在する結合の様式 と鉱物の性質 |
12. | 鉱物の結晶構造を決定する要素 |
13. | 最密充填様式 |
14. | イオン半径と配位数,配位多面体 |
15. | 鉱物の特性と結晶構造 |
16. | まとめ |
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授業のタイプ |
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講義 |
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教科書 |
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講義の中で内容応じて指示,必要に応じてプリントも使用する. |
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成績評価の方法 |
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出席,学期末試験,レポート,学習状況を総合的に判断して評定を行う. |
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WEBページ |
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→コンテンツサーバ (EDB/CMS) |
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連絡先 |
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沼子(2S02, 088-656-7265, numako@ias.tokushima-u.ac.jp) オフィスアワー:
後期 木曜日 12時∼13時 |
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受講者へのメッセージ |
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地球科学や化学·物質·材料科学など物質を取り扱う学問を志す学生さんにとって将来有用だと思われる物質科学的な知識を,鉱物や結晶を題材に講義します.もちろんインプラントや金属化合物を多用する医·歯·薬学の学生さんにも関連する分野の講義です.開設分野は地学ですが,広い分野の学生さんに共通の物質的な講義内容ですので,積極的·主体的に授業に参加してください.また,代返,レポートの丸写し等を行い自発的な学習努力を怠った学生に対しては,本人も協力者もあわせて不可の評価をいたします.他人に頼らずに,自分で学習することを心がけてください. |