2007年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
生活と社会 / Living and Society
共同社会と利益社会 / Communities and Associations
教授・吉田 浩 2単位 後期 月(13・14) 工(夜間主)
ドイツの社会学者フェルディナンド・テンニエスの『共同社会と利益社会』(『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』は,社会学という学問の不朽の古典である.テンニエスは前近代社会を個々人の自発的結合からなる真実の共同社会と捉える一方で,近代資本制社会を人間間のあらゆる結合が喪失し,個々人がバラバラとなり,加えて個々人が自己の私的利害だけを追求する利己的で人為的な利益社会であると看做す.テンニエスは前近代社会と近代社会とをこのように対比させることによって,近代資本制社会の問題性を掴まえると共に,それらを克服すべく新たな共同社会の構築をめざすのである.以上のテンニエスの試みには画期的意義がある反面,多くの問題性をも内包している.そこでその意義を確認しつつ問題性をも明らかとし,近代社会,とりわけ近代資本制社会の歴史上の意義と問題性とを確認すると共に,それは科学的にはいかに捉えられるべきかということを検討していきたい.
利益社会としての近代資本制社会の問題性を前近代的共同社会との対比において確認しつつ,資本制社会に独自な歴史的意義をも洞察して,その上で新たな共同社会の再建をめざす
ゲマインシャフト(共同社会),ゲゼルシャフト(利益社会),本質意志,選択意志
近代資本制社会の正しい把握の仕方を学びとる
1.『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』におけるテンニエスの課題設定とその問題性
2.同上
3.相互肯定的社会関係の二類型
4.同上
5.ゲマインシャフトの本質
6.同上
7.ゲゼルシャフトの概念
8.同上
9.テンニエスとヘーゲル①
10.同上
11.テンニエスとヘーゲル②
12.同上
13.テンニエスとマルクス
14.同上
15.終わりに
16.試験
『フェルディナンド・テンニエス』,吉田浩著,東信堂,1800円+税,生協書籍部に連絡してあるので各自で購入しておくこと
『ウェーバーとヘーゲル,マルクス』,吉田浩著,文理閣
学期末試験と2.3回の小論文
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