2007年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
人間と生命 / Humanity and Life
古代ギリシアの人と思想 / Greek Philosophers
教授・吉田 昌市 2単位 前期 木(11・12) 工(夜間主)
古代ギリシアの思想のなかから,興味深いテーマや興味深い人物などを選んで授業を行う.歴史的な知識を得させることを目的とはしない.思想や哲学を学ぶということは,思想家,哲学者と言われる人々が書き残したものに触発され,自分でものを考えはじめることであろう.そのためには,彼らが書いたものをじっくりと読み,彼らの言葉に耳を傾けることが不可欠である.この授業を,そうした意味での読み,そして聴く時間にしたい.
上記の目的を達成するために,あるまとまった分量のテクストを,古代ギリシアを中心とした哲学者・思想家のなかから選んで,受講生諸君に提示する. 実際に読むのは受講生諸君みずからであり,教師は読むための手助けができるだけである.
社会と自然,エロース,論理,知
既にもっている考えや立場を一度疑い,吟味する態度を,幾分かでも身につけること.
1.人間を越えるもの:ヘラクレイトス,プラトン『パイドン』『ティマイオス』など
2.人間を越えるもの(続):ヘラクレイトス,プラトン『パイドン』『ティマイオス』など
3.論理:パルメニデスとゼノン
4.論理(続):パルメニデスとゼノン
5.いかに生きるべきか(その一):「ノモスとピュシス」の思潮と『ソクラテスの弁明』
6.いかに生きるべきか(その二):「ノモスとピュシス」の思潮と『ソクラテスの弁明』
7.いかに生きるべきか(その三):「ノモスとピュシス」の思潮と『ソクラテスの弁明』
8.エロースとは何か:プラトン『響宴』より
9.エロースとは何か(その二):プラトン『響宴』より
10.エロースとは何か(その三):プラトン『響宴』より
11.「無知の知」:プラトン『ソクラテスの弁明』より
12.「無知の知」続:プラトン『ソクラテスの弁明』より
13.「知る」とは?(その一):プロタゴラス「人間尺度説」と懐疑論,プラトン『国家』線分の比喩,など
14.「知る」とは?(その二):プロタゴラス「人間尺度説」と懐疑論,プラトン『国家』線分の比喩,など
15.「知る」とは?(その三):プロタゴラス「人間尺度説」と懐疑論,プラトン『国家』線分の比喩,など
16.成績評価と評価の講評にあてる.
なし.資料となるプリントを配布する.
主な参考文献は次の通り.,広川 洋一 『ソクラテス以前の哲学者』 講談社(単行本および学術文庫版),田中美知太郎 『ソクラテス』 岩波新書,同上 『ソフィスト』 講談社学術文庫,F. M. コーンフォード 『ソクラテス以前以後』 岩波文庫,A. コイレ 『プラトン』 みすず書房,R. S. ブラック 『プラトン入門』 岩波文庫,藤沢令夫 『プラトンの哲学』 岩波新書,藤沢令夫 『ギリシア哲学と現代』 岩波新書
授業への取り組み方+何度か行う予定の小テスト+学期末の試験
http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/tetsugak/tetsugakuhp.html
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
吉田(1230, 088-656-7150, shoichi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 水曜12時から13時
授業の内容がまだすっかり固まっていませんので,上記の計画通りには行かないかもしれません. 時間に余裕があれば,「国家社会の問題:プラトン『国家』より」「神話と哲学:ヘシオドス『神統記』とミレトス学派」などを追加するかもしれません.