2007年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
人間と生命 / Humanity and Life
ヒューマンコミュニケーション / Human Communication
准教授・寺嶋 吉保, 鳥取大学・高塚 人志, 教授・多田 敏子, 非常勤講師・山田 進一, 中部学院大学・黒葛原 健太郎 2単位 前期 水(1・2・3・4) 医(看)
医療系学生における人間力を高め,学生自らのコミュニケーション能力を向上させ,将来患者と向き合える医療者を育てる一助とする.また,取組を通し,地域の子育て支援事業に貢献する.
この授業ではコミュニケーション能力の開発を支援する「体験学習」を通して,自分と向き合い自分自身の人間関係について考える場を学生に提供する.学内演習・地域の保育所実習・子育て支援事業のボランティア参加を3本柱とする. 学内演習では,参加型のワークを基本として,コミュニケーション・スキルについて学び,自分自身の人間関係について考える.保育所では毎週,乳幼児と一対一の交流(10回)を行なう.交流を通して「乳幼児期のヒト」と「親」を実体験的に理解して,相手の気持ちを察する感性を磨く.また,子育て支援事業の運営にボランティア参加(1回)し,初対面の人に対応し相手のニードを察する機会を得る.
人間力,ホスピタリティ・マインド,役立ち感,自己肯定感,子育て支援
1.適切な礼儀やマナーを身につける.2.相手の考えや気持ちを受け止めることができる.3.自分の気持ちや考えを相手に伝えることができる.4.仲間の様子に目を向けることができ,共に喜び合ったり,励ますことができる.5.関わりを通して,自己を振り返ることができる.
1.学内演習:アイスウォーム,自己開示(乳幼児との交流準備)
2.学内演習:ホスピタリティ・マインド,話の聞き方(乳幼児との交流準備)
3.学内演習:相互協力「図形作りにチャレンジ」(乳幼児との交流準備)
4.学内演習:価値観,自分を知ること(乳幼児との交流準備)
5.保育所実習1
6.保育所実習2
7.保育所実習3
8.保育所実習4
9.保育所実習5
10.保育所実習6
11.保育所実習7
12.保育所実習8
13.保育所実習9
14.保育所実習10
15.振り返り・まとめ
16.子育て支援事業のボランティア参加
なし.配布する資料を使用する.
高塚人志著「いのちにふれる授業」小学館, 「自分が好きになっていく」アリス館,「いのちを慈しむヒューマン・コミュニケーション授業」大修館書店
出席状況(33%),レポート(33%),授業に取り組む姿勢・態度(33%)から総合評価する.
http://healthbio.basic.med.tokushima-u.ac.jp/tougou/GP/
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
医療教育開発センター 088-633-9104 長宗(mnagamune @yahoo.co.jp)
人間関係が希薄な現代においては,年齢を超えた人間関係作りや,コミュニケーション(お互いの考えや気持ちを理解しあうこと)を意図的に学ぶことが必要である. 人と関わるには,相手の心の有り様を想像し,相手の心に寄り添った行動をすることが大切である.交流する乳幼児達はなかなか自分の思うようにならないかもしれないが,自分のパートナーに寄り添い,相手の気持ちを表情や言動から推し量り,必死になって自分のこととして考え,関わりをもってほしい.そんな体験を積み重ねることでホスピタリティ・マインドに気づき,「達成感」や「人の役に立つ喜び=役立ち感」そして「自己肯定感」を実感するだろう. この授業をステップに将来,患者さんの立場を尊重し,患者さん中心の医療を行い,思いやりに溢れた医療者に成長してくれることを期待したい. (尚この授業は文部科学省からの補助をうけ行なわれるものです.)