2007年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 学部課程 — 3年(前期)
EDB
国際文化ゼミナール(その1)
教授・吉田 浩 2単位
授業の目的
日本経済は1991年のバブル経済崩壊とともに不況へと陥り,90年代は「失われた10年」といわれてきた.その間,日本経済は構造的変化をとげてきたのであって,その第一は,安い労働力を求めて企業が多国籍企業化し,生産拠点を海外に移していったことである.その結果は国内の産業空洞化であり,失業者の増大ということであった.第二は,国内では猛烈なリストラを断行し,労働法制を規制緩和して,大量の非正規労働者におきかえるということであった.以上の結果は,わが国に「格差社会」が生じてきたのではないかということで,「格差社会」論が近年多方面で論議されるにいたっている.本ゼミナールではこの「格差社会」の実態と,その問題点,是正の方法を検討していきたい.
授業の概要
「格差社会」を論じている代表的著作をとりあげて検討していくとともに,現代の日本の雇用の実態に焦点を集中し,とりわけ青年の雇用のあり方から「格差社会」の問題に迫っていきたい.
キーワード
格差社会,非正規労働者,フリーター,ニート,過労死,過労自殺
受講者へのメッセージ
卒業論文につなげていくのでゼミに積極的に参加することを望む.ゼミ参加希望者は,最初の授業では私の研究室に来てください.1号館南棟2階理論社会学研究室です.
到達目標
若者の雇用実態から格差社会に迫っていく
授業の計画
1.『格差社会』,橘木俊詔著(岩波文庫)
2.同上
3.同上
4.『日本の経済格差』,橘木俊詔著(岩波新書)
5.同上
6.同上
7.『不平等社会日本』,砂糖俊樹著(中公新書)
8.同上
9.同上
10.『階層化日本と教育崩壊』,刈谷剛彦著(有信堂)
11.同上
12.同上
13.同上
14.『日本のニート・世界のフリーター』,白川一郎(中公新書)
15.同上
16.総括
成績評価の方法
ゼミへの毎回の積極的な参加によって評価する
対象学生
他学科,他学部学生も履修可能
教科書
〔授業計画〕の項で示しておいた.
参考資料
ゼミナールのなかで随時紹介していく
WEBページ
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
連絡先
吉田(088-656-7198, yoshida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 火曜日12時∼13時
備考
このゼミは平成19年度前期のゼミであり,後期も同一のゼミを行う