2007年度 総合科学部 自然システム学科 数理·情報コース 数理科学サブコース 学部課程 — 3年
EDB
応用解析特論
教授・伊藤 正幸 2単位
授業の目的
解析学I(前期)では,測度論と,それに基づいたルベーグ式積分理論の基礎が概説された.しかし,時間の関係もあり,ほとんど定義を述べただけといってもよい.この講義は解析学Iで述べることが出来なかった重要ではあるが基本的な部分を概説する.これらは,解析学や確率論を進める上では大変有用な部分である.
授業の概要
測度論とルベーグ積分の基礎(解析学Iの続き):関数空間,関数の収束概念,ラドン·ニコディムの定理および一様可積分性について講義する.
キーワード
測度論,ルベーグ積分,関数空間
先行科目
解析学I
受講者へのメッセージ
計算技術や問題解法テクニックの向上の上では,この講義は一見何の役にも立たないように思われる.そればかりか,積分論の再構築がテーマであるこの講義では,複雑でなじみのない議論が展開され,はじめて学ぶ学生諸君には何回で取っ付き難いものであろう.多くの先生方も学生時代はそう感じたに違いないと思われる.それにもかかわらず,カリキュラムに組み入れられているのは,この学問なくしては,解析学が構築できないからである. 講義の難解さやに圧倒されることなく,新しい推論方法に接するという気楽な気持ちで休まず受講して欲しい.完全に理解できなくとも,その後の勉学にきっと役に立ちます.
到達目標
1.関数空間,関数の収束概念の理解
2.ラドン·ニコディムの定理(積分論における微分の概念)の理解.
授業の計画
1.解析学I(ルベーグ測度論·積分論)の復習
2.関数空間I
3.関数空間II ヘルダーの不等式
4.関数空間III 完備性
5.収束概念I 定義
6.収束概念II 各種概念の関係(1)
7.収束概念III 各種概念の関係(2)
8.ラドン·ニコディムの定理(符号付測度,ジョルダン分解,ハーン分解,絶対連続性,ラドン·ニコディムの定理)
9.同上
10.同上
11.同上
12.試験
13.総括
成績評価の方法
期末試験と授業への取り組み状況により,総合的に評価する.
教科書
測度·積分·確率 梅垣寿春ほか著 共立出版
WEBページ
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連絡先
伊藤(総合科学部1号館1220, 088-656-7219, mas-ito@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 火曜日 12:00∼13:00
備考
「隔年開講」 本年度開講せず.