2007年度 人間·自然環境研究科 修士課程 人間環境専攻·自然環境専攻 研究科共通科目 現代科学基礎領域 — 1年(後期), 2年(後期)
EDB
人間存在基礎論
教授・吉田 昌市 2単位
授業の目的
「人間存在基礎論」とは何であろうか.もしそれが,文字通り,人間存在の基礎や根本にあるものを問題にするものだとすれば,ではその根本にあるものとは何かが,まず問われなければならないだろう.それは身体,あるいは身体に基礎を持つ知覚であろうか.それとも「人間は理性的動物である」という言葉に従って,理性や知性こそが人間を人間たらしめている根本のものだということになるのであろうか.あるいはまた,人間がそこにある外的な自然や環境こそが,人間を支えている基礎的なものだと考えればいいのだろうか.では自然とは何か.それはそれだけで独立に存在するのか,それとも自然の存在をさらに支えているような何者か――それは一種の超越者ということになるかもしれないが――が存在するのだろうか. 問いは尽きないが,これらはすべて西洋の哲学において既に問われてきた問いであるとも言うことができる. この授業では,以上のような歴史的でもある問いを背景に,人間存在の基礎にあると考えられるものについて,年度ごとに様々な角度から検討を加えることを目的としたい.
授業の概要
人間存在をめぐる諸問題
キーワード
科学と哲学
受講者へのメッセージ
疑問に思う点をはっきり述べるなど,積極的に授業に参加することを期待する.
到達目標
取り上げられる哲学的問題を,批判的に理解できるようになること
授業の計画
1.取り上げる文献を,部分ごとに担当者を決め,その担当者が発表するという形式で授業を進める.
2.今年度は,N.R.ハンソン(村上陽一郎訳)『科学的発見のパターン』(講談社学術文庫,1986年)を読むことを中心に授業を進める.
3.授業は15週行い,16週目は成績評価と評価の講評にあてる.
成績評価の方法
授業に取り組む態度,授業中の発言や発表,あるいは期末のレポートなどによって総合的に評価する.
教科書
上記のハンソンの書物は,各自購入のこと.その他の参考文献は授業のなかで指示する.
参考資料
授業のなかで指示する.
WEBページ
http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/tetsugak/tetsugakuhp.html
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連絡先
吉田(1230, 088-656-7150, shoichi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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