2007年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 欧米文化 — 1年(前期), 2年(前期)
EDB
日独比較文化論
助教授・依岡 隆児 2単位
授業の目的
近代以降日本と関係の深かったドイツ語圏と日本との文化的交流や影響関係をみながら,異文化交流や文化変容のあり方を考察すること.これからの日本の国際化や多文化的社会の実現のためのヒントを得ること.
授業の概要
比較文化研究,異文化理解,文化変容,近代化の問題,地域性と国際性
キーワード
比較文化,異文化理解,マルチカルチャー,文化交流
受講者へのメッセージ
日本語で書かれた文献や日本語翻訳のテキストを主として使用するので,ドイツ語履修は義務付けないが,ドイツ語履修経験があることが望ましい.
到達目標
日本とドイツ語圏との文化交流や文化的影響関係についての理解を深めること.文化を静態としてではなく,たえず他からの影響にさらされて変容をとげている動態としてとらえられるようになること.
授業の計画
19世紀後半からのドイツ語圏と日本との,あるいはより広く西洋と東洋との出会いの事例を考察し,その境界における創造性について考察する.たとえば,19世紀末からの西洋でのジャポニズムにおける日本受容と,反対に日本でそのジャポニズムの逆輸入,雑誌文化や新興演劇運動,バウハウス等の建築·工芸運動の進展などにおけるドイツと日本の間での相互影響関係について考察する.日本が西洋から学んだばかりではなく,西洋が日本から自然に即した生き生きとした生活表現や簡素な様式美,禅的な非対称な構図法,柔軟な機能性などをモダンなものとして学んでいたことも紹介する.こうした傾向は現代のアニメ·マンガや村上春樹·吉本バナナに代表される日本文化のグローバル化にまでつながるものだろう.ここからは現代における日本文化の国際性を考える視点が与えられると考えられる.また,徳島との関連では板東俘虜収容所,井上勤,長井長義なども取り上げる予定である.
成績評価の方法
出席,授業への参加状況,レポートなど,総合的に評価する.
教科書
適宜プリントを配布する.
WEBページ
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連絡先
依岡(1308, 088-656-7143, yorioka@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 火曜日12時から13時まで