2008年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

歴史と文化 / 資本主義の歩み

History and Culture / History of Capitalism

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化 / 資本主義の歩み』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『経済学 / 資本主義の歩み』

教授・中嶋 信

2単位

 月(3・4) 全(全)

授業のタイプ

講義

授業の目的

人類社会の歴史的な変化を正しくとらえるには,社会科学とりわけ経済学の知識が欠かせまない.この講義の目的は経済学にもとづいたものの見方·考え方を提供することにある.気まぐれに見える社会現象も自然現象と同じように客観的な法則に支配されている.その法則を理解することにより,社会の仕組みと運動を解明することができる.さらに,人類社会の長期見通しも得ることができる.社会の運動を大局的にとらえる力を身につけよう.

授業の概要

この講義では資本主義の発展経過に即して,それぞれの段階の基本骨格とそれを変動させる契機を検討する.資本制社会は決して安定したシステムではなく,絶え間なく変動している.またその変化は資本制社会の内的な論理に基づいている.つまり,資本制そのものをひとつの運動体としてとらえることができる.この講義はその運動を概観しながら,資本制社会の歩みについての大まかな履歴書を描く.進め方は下記の通り.

キーワード

資本主義,経済史,史的唯物論

受講者へのメッセージ

専用ファイルを準備し,レジュメ·ノート·関連資料などをまとめて私的テキストをつくること.経済社会のダイナミズムを自分の頭でとらえよう.<The Sense of Wonder>を磨きあおう.

到達目標

1.経済学の基礎概念を理解し,使えるようになること.
2.社会現象を規定する法則を理解し,資本主義の発展過程に応用できるようになること.

授業の計画

1.なぜ経済史を学ぶのか 経済学の課題とこの講義の進め方
2.社会の骨格と経済学の言葉 経済社会の発展に関する諸理論
3.人類史を動かすエネルギー 社会構成体の変動 前近代の経済構造
4.中世と[自由]の芽生え 封建制社会の解体と資本主義の形成
5.自由競争の社会 資本制社会の誕生 市民革命の時代
6.産業革命と農村社会の変貌 農業面での資本主義の発達=農業革命
7.機械制大工場の労働者達 資本主義の発展と労働者階級の成長
8.「自由と平等」の分裂 資本制矛盾の拡大 社会問題の激化
9.国境を越える競争と対立 帝国主義と社会主義の対立と世界戦争
10.大恐慌と資本主義の変容 大恐慌の意味 現代資本主義の骨格
11.大戦後の世界経済の再編 世界資本主義体制の形成と変容
12.世界資本主義体制の変容 冷戦構造の解体と新国際経済秩序
13.経済学と二つの経済像 経済学の現代的課題と分析の方法
14.現代社会の位置と課題 経済の発展構造をめぐる論争
15.質疑応答と授業全体のまとめ
16.筆記試験

成績評価の方法

二つの試験を総合して認定.出席状況で補正します. <中間試験> (4)∼(10)を概括するテーマのリポート提出, <期末試験> (1)∼(3)(12)∼(14)を概括するテーマの筆記試験

再試験の有無

教科書

テキストは用いず,プリントに従って進めます.進行に沿って参考書を紹介します.

連絡先

中嶋(総合科学部1号館2218室, 088-656-7181, makoto@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 総合科学部1号館中棟2階に日本経済史研究室があります.随時,相談に応じます. 質問や面接予約にはメール,電話·ファクス を利用して下さい.