2008年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

自然と技術 / 身のまわりの物性科学

Science and Technology / Introduction to Material Science

平成19年度以前の授業科目:『自然と技術 / 身のまわりの物性科学』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『物理学 / 身のまわりの物性科学』

教授・小山 晋之

2単位

 月(3・4) 全(全)

授業の目的

『物性』とは,物質の示す色々な性質のことである.種々の物質の示す様々な物性を,原子核と電子のレベルまで踏み込んで,そのような物性が出現する理由を20世紀の物理学の代表である量子力学を用いて解明し,さらに優れた物性を示す物質を探索あるいは創製することが物性科学の目的である.現代科学の根幹をなす材料科学∼物性科学の重要性を通じて物理学の論理的な思考方法を紹介することを目的とする.

授業の概要

我々の身近にある物質の種類は多種多様である.ピカピカ光る金属もあれば,ダイアモンドのように透明な結晶もある.磁石につく鉄のような物質もあれば,トランジスターの材料となっている半導体もある.また,銅のように電気抵抗率が小さく電気をよく通す物質もあれば,完全に電気抵抗がゼロとなってしまうような超伝導体もある.このような物質の多様性を一歩物質の中に踏み込んで,なぜそのような性質が現れるのかを調べるのが物性科学の目的である.物性科学とはどういう学問であるかをできるだけ沢山の例を示しながら,できるだけやさしく解説する.

キーワード

物性科学入門,物理的な考え方,身のまわりの物理

受講者へのメッセージ

毎回授業中に提出してもらうクイズ(身のまわりの物理に関するものなど)は単なる出席点とはならないので注意すること.たとえ正解でなくとも,積極的に自分で考え,他人に説明できるようにしてほしい.また,自分なりに工夫して講義ノート(最後に提出・評価後,返却します)を作ってほしい.

到達目標

1.物性科学を通じて,物理学の論理的な思考方法の基礎が理解できる.
2.身のまわりの色々な物理現象を通じて,物理的な考え方·論理的な思考方法についての認識を深める.

授業の計画

1.講義の進め方と成績評価の仕方について1(クイズとノートの提出&レポート)
2.序論
3.物質の構造(1)
4.物質の構造(2)
5.周期律表と物性(1)
6.周期律表と物性(2)
7.原子を結びつける力(1)
8.原子を結びつける力(2)
9.原子の世界の力学
10.量子統計(1)
11.量子統計(2)
12.電気抵抗
13.超伝導(1)
14.超伝導(2)
15.超伝導(3)
16.総括授業

成績評価の方法

期末試験は行わず,授業中に出す身の回りの物理に関するクイズあるいは講義内容に関する疑問点および最後の授業で提出してもらう講義ノートを総合的に評価する.

再試験の有無

無(原則として)

教科書

教科書は使用しない.適宜プリントを配布する.

参考書:平田雅子「好きになる理科系科目」講談社サイエンティフィク,

参考書:一橋大学理科教育研究会編「サイエンスミニマム10講++」培風館,

参考書:小出昭一郎「物性の話」東京図書,

参考書:工学基礎ミニマム研究会編「物理ミニマム」学術図書出版社 その他

連絡先

小山(総合科学部3号館1N07, 088-656-7233, koyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週 火曜日と金曜日 12時∼13時(これ以外にも随時,教官室に居ればできるだけ対応します),総合科学部3号館1階北棟 物質·環境コース物理系1N07