2008年度 総合科学部 学部課程 — 1年

現代GP体験ゼミ

准教授・西山 賢一, 教授・石田 啓祐, 教授・今井 昭二, 准教授・佐藤 高則, 徳島県立博物館・中尾 賢一

2単位

目的

私たちの生活する徳島は吉野川の河口に位置し,徳島市はその恵まれた水環境を生かした「豊かな自然環境と共生する町づくり」を目指している.この体験ゼミでは,水環境を育む恵みの吉野川と,県南部を潤す那賀川について,その源流から下流までの自然環境をその地形と大地の成り立ちの観点から体験することを目指す.しかし恵みの川もときとして,豪雨や土砂災害をもたらすことがある.このような恵みと災いをもたらす四国山地の成り立ちや地球科学的な歴史的変遷,現在の地形と気象条件などが,吉野川・那賀川流域のさまざまな恵みや災害,人々の生活とかかわっていることを,地質・地形の観察を通じて考える.さらに,吉野川の河川水の水質や,源流域に生息する微生物などの分析に基づき,水環境を総合的に考える重要性についても学ぶ.

概要

四国山地を流れる吉野川や関連河川の環境のなりたちについて体験的に学び,地球科学・化学・生物学的な視点から水環境を総合的に把握する作業の重要性について理解を深める.

キーワード

吉野川,四国山地,那賀川,地球科学,水環境・河川環境,自然災害,岩石・鉱物資源,微生物

注意

野外実習が3回あります(徳島市小松海岸,那賀川見学,吉野川見学)ので,3回とも参加したうえで,学んだ内容をレポートとしてまとめる作業が必要です.野外実習は夏休み(8∼9月)と土日に行います(日程は要相談).このうち,吉野川見学実習は1泊2日(宿泊先:高知県大川村の「ふるさと自然王国大川村」の予定)となります.宿泊とバスの都合があるため,受講者数を調整することがあります.

目標

1.四国山地と吉野川で代表される自然環境に関する野外観察の仕方を身につけ,河川環境の現状や歴史的変遷の概要が理解できる.

計画

1.1.ガイダンス.堆積物の粒径区分と粒度スケール作成作業(室内)
2.2∼3.吉野川河口∼小松海岸の堆積物と貝殻採集の野外実習(半日)
3.4.貝類の同定と生息環境推定,電子顕微鏡による鉱物・微化石観察(室内,半日)
4.5∼8.那賀川地域・野外見学実習(日帰り,全日)
5.9∼16.吉野川地域・野外見学実習(1泊2日).白滝鉱山砂防資料館での室内講義(水質の微量分析法,微生物の観察)とレポート作成を含む.

評価

体験ゼミへの参加・学習状況とレポートによる.

再評価

再試験は行わない.

教科書

指定しない.参考資料は配付します.

連絡先

西山(総科3号館2S05, 088-656-7239, nisiyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日12時∼13時
石田(総合科学部3号館2階南2S04, 088-656-7243, ishidak@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時
今井(総合科学部3号館2N08, 088-656-7273, imai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前·後期 火10:30-11:40,木曜日 13:30-14:20
佐藤(3N05, 088-656-7657, tsatoh@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 授業時間以外の平日9:00-17:00
中尾(連絡先未登録)
オフィスアワー: 集中なので特に設けない.