2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 文化情報サブコース 学部課程 — 3年(前期)

2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 哲学·思想サブコース 学部課程 — 3年(前期)

2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 歴史·社会サブコース 学部課程 — 3年(前期)

フランス語圏文化論 (その1)

教授・田島 俊郎

2単位

目的

フランス語で書かれた文学作品を原語で読み,作家のテクニックについて考える.

概要

フランスの文学 人間は内面の感情や知識を伝達したいと考えるとき,記号に頼らざるを得ない.内的な感情は,テレパシーや,脳に電極を差し込んでそれぞれ直接電気信号を伝えあうなんてことが可能でない限り,そのまま伝えることはできず,絵や音楽や言語と呼ばれるを記号や表象を介してしか伝わらないだろう.もし直接に心の動きが伝えられるとしたら,そちらのほうがましだとあなたは思うだろうか?それとも心の中が直接相手に伝わらないからこそ幸いだと思うだろうか. 田島は,自分の内面を表象を介して間接的にしか伝えられないことを幸いだと思う.だって,やばいことは言わなきゃばれないんだから.いやそういう意味だけではなく.ある内面を表現するためにある表象が選ばれる.その際にその表象が果たして発信者と受信者の間で同じものとして認識されているかどうかは疑問である.悲しいとか嬉しいとか単純な気持ちでも涙で表現されたとき,正しく相手に伝わるだろうか.ましてやそれよりも複雑な感覚であればそれなりに技巧をこらさなければ発信者の感情は伝えようがない.そして技巧をこらした表象であっても発信者と受信者の間で同じものとして認識されないかもしれない.このこと自体がむしろ幸いだと思う.だからこそ技巧が発達し,表象自体を楽しむことができるのだから.

キーワード

フランスの文学,表象,テクスト

先行科目

実用フランス語演習I,フランス語

関連科目

実用フランス語演習I

注意

全学共通教育のフランス語基礎および初級の単位を修得しているか,それと同等以上のフランス語能力が必要.

目標

1.フランス語で文学を読むためのフランス語能力と,文学作品を鑑賞し,理解し,論評するための語彙,方法を獲得する.

計画

1.19世紀か20世紀のフランス語で書かれた比較的短い作品を読み,作者自身について,作品の時代背景について,作品に使われた技法について,また作品の受容について調査検討する.

評価

出席および授業中の発言を重視します.

再評価

行いません.

教科書

コピーを配布します.

連絡先

田島(088-656-7144, tajima@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 田島俊郎:水曜日16時20分∼17時30分