2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 文化情報サブコース 学部課程 — 2年(後期)

2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 哲学·思想サブコース 学部課程

2008年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 歴史·社会サブコース 学部課程 — 2年(後期)

アメリカ文化論(その2)

教授・上野 加代子

2単位

目的

アメリカの家族·社会について社会学的な分析視点を持ってもらうことを授業のテーマとする.

概要

アメリカになぜ離婚が多いのか,シングル·マザーになる女性が多いのか,家族が政治論争の争点になるか,貧富の格差が途方もなく大きいのか,人種的偏見がかくも強くはびこるのか,犯罪が多いのか,等々のさまざまな不思議を,アメリカ社会の特質から考えてもらう.授業ではアメリカのドラマや映画を補助教材に用いる.通文化的(国際比較的)視点をみにつけることで,いまの,そしてこれからの自文化の家族や社会を考えるツールを獲得してもらいたい.

注意

毎回出席をとります.3分の1以上の欠席は「不可」になるので注意してください.

目標

1.映画やドラマによく出てくる光景を題材とすることにより,メディアに映ったアメリカ文化を読み取る実践練習をもこなしてもらい,受講後,アメリカの社会文化に関するデータを自分で収集し,分析·考察ができるよう,知的な基礎体力をつけてもらう.

計画

1.データでみる日米の結婚·出産 — 結婚や家族形成に積極的なアメリカの人たち
2.アメリカ家族をめぐる悲観主義と楽観主義 — 政治争点としての同性婚·中絶 『サイダー·ハウス·ルール 』映画視聴
3.アメリカの文化神話と家族 — 「自助の精神」という神話
4.専業主婦の憂鬱
5.アメリカの文化神話と犯罪 — 「機会の国」という神話
6.黒人とは誰か?
7.『ロング·ウォーク·ホーム 』映画視聴
8.公民権運動とアファーマティブアクション
9.多文化主義(1)
10.多文化主義(2)
11.アンダークラス問題
12.シングルマザーと貧困の女性化
13.グローバル経済とアメリカ家族
14.格差社会とゲイティッド・コミュニティ
15.まとめ

評価

レポートに加えて,授業参加度(討議への参加など)を考慮する.

再評価

教科書

主に使用する参考書:S.クーンツ『家族に何が起こっているのか/A.ホックシールド『セカンド·シフト — アメリカ共働き革命のいま』朝日新新聞社/ 荻野美穂『中絶論争とアメリカ社会』岩波書店/ R.ライシュ『勝者の代償 - ニューエコノミーの深淵と未来』東洋経済新報社/W.ウィルソン『アメリカのアンダークラス』明石書店.詳しい文献情報は毎回のレジメに記載.

連絡先

上野(088-656-7682, ueno@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週 水曜日 11時40分∼12時40分