人文地理学研究I
Human Geography I
准教授・豊田 哲也
2単位
目的
農業·工業·商業といった産業活動の空間的展開を見ると,特定の地域に集中しているものや分散しているものなど,さまざまな形態があることがわかる.また,政治経済機能の集積地である都市の地理的分布や規模についても,いくつかのパターンを見いだしうる.こうした立地現象には法則的·原理的なものがあるのだろうか.あるとすればどのような説明が可能だろうか.人文地理学の中で特に経済立地論と呼ばれる研究領域では,このような疑問に答えうる理論を探求し,実証研究を重ねてきた.本講義では古典的な経済立地論を体系的に解説し,あわせて現実への応用事例を幅広く紹介する.
概要
経済地理学の基本問題
キーワード
地理学,産業,立地,空間構造,地域問題
注意
この授業は教員免許取得(中学校·社会,高校·地歴)のための必修科目(「地域構造論研究I」といずれか選択)となっている.なお,「人文地理学研究I」(概説·平成20年度開講)と「人文地理学研究II」(特論·平成21年度開講予定)とは,隔年で交互に開講される.
目標
1. | 経済地理学の基礎理論を学び,社会現象を理論的·空間的に考察する能力を身につけることを重視する. |
計画
1. | 1.農業の立地 |
2. | 1-1.チューネンの農業立地論 |
3. | 1-2.農業地域の形成と変化 |
4. | 1-3.都市地代モデルへの展開 |
5. | 2.工業の立地 |
6. | 2-1.ウェーバーの工業立地論 |
7. | 2-2.工業立地論の展開と適用事例 |
8. | 2-3.現代日本の工業立地変動 |
9. | 3.中心地の立地 |
10. | 3-1.クリスタラーの中心地理論 |
11. | 3-2.中心地理論に関する実証的研究 |
12. | 3-3.商業·サービス業の立地と中心地理論 |
13. | 4.オフィスの立地 |
14. | 4-1.オフィス立地に関する諸理論 |
15. | 4-2.企業の立地展開と地域システム |
16. | 授業のまとめ |
評価
授業内容の確認と復習を兼ねた小テスト(持ち込み不可)を3回程度実施し,授業への取り組みと併せて成績評価をおこなう.
再評価
あり
教科書
教科書 富田和暁著 『地域と産業―経済地理学の基礎―』 原書房
これに加え教材としてプリントを適宜配布する.
連絡先
豊田(2329, 088-656-7154, toyoda@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 木曜日 12:00∼13:00
備考
隔年開講のため,平成20年度は開講されるが,平成21年度は開講されない.