2008年度 総合科学部 人間社会学科 法律経済コース 学部課程 — 3年(前期, 集中)

刑法I

肩書不明・山本 雅昭

2単位

目的

刑法総論とは,刑法典第1編「総則」を主な対象とし,犯罪のタイプが異なってもそこに共通する問題について考察しようとするものである.犯罪と刑罰に関する基礎的理論をその内容としているが,刑罰という峻厳な制裁を加えるべき犯罪の成否を判断するに当たっては慎重を期することが求められることから,ここでは分けても犯罪論が著しい発展をみた.そこで,本講義でも犯罪論を中心に据えて解説を行い,犯罪のタイプにかかわらない犯罪の一般的成立要件について理解を深められるよう配慮したい.

概要

刑法総論

キーワード

法律

関連科目

民法I民法II民法III

注意

他の法律系科目(特に,憲法,民法,行政法)と合わせて履修することが望ましい.

目標

1.各部分が相互に有機的に結び付いて刑法総論の体系をなしていることを把握すること.

計画

1.1.刑法総論とは何か?
2.2.刑法の基礎理論(罪刑法定主義とその派生原則,刑法の適用範囲)
3.3.犯罪論体系と行為論
4.4.構成要件論その1(構成要件該当性判断,行為主体,実行行為)
5.5.構成要件論その2(結果,因果関係)
6.6.構成要件論その3(故意と錯誤)
7.7.構成要件論その4(過失)
8.8.違法阻却事由その1(正当防衛,緊急避難)
9.9.違法阻却事由その2(正当行為,被害者の承諾,自救行為等)
10.10.責任論(責任の本質と責任要素)
11.11.未遂犯論(実行の着手,障害未遂と中止未遂)
12.12.共犯論その1(共犯の概念,共同正犯)
13.13.共犯論その2(教唆犯と従犯,その他共犯に関する諸問題)
14.14.罪数論
15.15.刑罰論
16.16.期末試験

評価

期末試験の成績に基づいて行う.

再評価

なし

教科書

教科書は使用しないが,最新の六法全書を持参されたい.

なお,参考書として,町野朔·中森喜彦編『刑法1総論 第2版』(有斐閣),『刑法判例百選I[第5版]』(別冊ジュリスト,有斐閣)を推薦する.

連絡先

上原(088-656-7173, uehara@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

前期集中講義