2008年度 総合科学部 人間社会学科 法律経済コース 学部課程 — 毎年(後期)

家族法

未定

2単位

目的

現行家族法規定の内容を理解した上で,法の家庭領域への関わり方について各人が見解を抱けるようにする.

概要

近時,家族・相続を巡っては種々の問題が現れている.代理母・再婚禁止期間・嫡出推定・不倫・同性愛・児童虐待・非嫡出子の相続分などである.諸外国でもこうした問題が生じており,一部は立法で対処されている.また,家族法は好むと好まざるとに関わらず各人が出生の際から関わらざるを得ない法領域である.この意味で,個人の生活にもっとも近い法律と言える.しかし,そもそも家庭という個人のライフスタイルに密接に関わる問題について法律が規定するのが適切なのかは問題である.本講義では,現行の家族法規定を概説し,法律と家族の関係について考えるきっかけを与えることとする.

キーワード

家族,夫婦,親子,相続

先行科目

民法I

注意

受講者は必ず六法を持参すること(小型のものでよい).

目標

1.現行の家族法規定の内容を理解すること.
2.現実社会で発生している種々の家族・相続を巡る問題を法的な観点から分析できるようになること.
3.法と家族の関わり方について,自分なりの見解を抱けるようになること.

計画

1.序論ーー家族法とは何か
2.夫婦の人格的・財産的関係
3.夫婦関係の成立と解消
4.親子関係の発生と内容
5.非婚姻家族
6.養子
7.扶養・後見
8.家事事件・戸籍
9.遺言の形式的要件
10.遺言による財産処分
11.遺言の執行
12.相続人
13.相続財産
14.相続分・相続の承認と放棄
15.遺産分割・遺留分

評価

出席点ならびに期末試験の成績による.

再評価

行わない.

教科書

久貴忠彦=米倉明=水野紀子編『家族法判例百選 第6版』(有斐閣・2200円)

参考資料

内田貴『民法Ⅳ 補訂版』(東京大学出版会・3500円)

大村敦志『家族法 第2版補訂版』(有斐閣・3600円)(『家族法』というタイトルだが,相続法部分については扱っていないので注意すること)

伊藤昌司『相続法』(有斐閣・4200円)

連絡先

直井(naoi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日 10時25分∼11時55分

備考

平成16年度以前の入学者対象