2008年度 総合科学部 人間社会学科 法律経済コース 学部課程 — 2年(前期)

社会科学特論I

教授・饗場 和彦

2単位

目的

20世紀は戦争と大量虐殺の時代だった.第一次世界大戦中のトルコによるアルメニア人殺害60万人,ナチス・ドイツによるユダヤ人殺害600万人,カンボジアのポル・ポト政権による殺害170万人,ルワンダのフツ政権によるツチ人の殺害80万人.なぜ,人は人を大量に,むごく殺せるのか.この授業では,こうした大量虐殺の事件について,その背景や構造を考察する.

概要

20世紀に世界各地で起きた大量虐殺の事件を検証する.『大量虐殺の社会史』(松村高夫,矢野久編著,ミネルヴァ書房,2007年)の著書を中心に,ゼミ形式で議論をしていく.事実関係の知識と,事件がおきる背景,構造などを理解する.

注意

ゼミ形式で授業を進めるので,受講者で分担して担当する章を決め,それぞれがレジュメにまとめて報告する.

目標

1.大量虐殺事件をめぐる基本的な知識,情報を得る.
2.大量虐殺事件の起きる背景や構造の理解を深める.

計画

1.イントロダクション
2.序章・大量虐殺の20世紀
3.トルコにおけるアルメニア人虐殺
4.ドイツにおけるユダヤ人虐殺
5.「クロアチア独立国」におけるセルビア人虐殺
6.韓国・老斤里における虐殺
7.9・30事件とインドネシア共産党撲滅
8.カンボジアにおける虐殺
9.クロアチア「祖国戦争」と「民族浄化」
10.ルワンダにおけるジェノサイド
11.グアテマラにおけるマヤ民族虐殺
12.メキシコ・アクテアルにおける虐殺
13.現代に生き続ける医学の歴史的犯罪(731部隊)
14.虐殺の研究とその克服
15.全体の総括と補足

評価

平常点のみ.期末試験などは行わない.

再評価

無し.

教科書

『大量虐殺の社会史』(松村高夫,矢野久編著,ミネルヴァ書房,2007年,4500円)を教科書にする.

連絡先

饗場= 電話·ファクス:088-656-7186 電子メール:aibak@ias.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 金曜日14:35ごろから16:05ごろ(在室時はこれ以外の時間いつでも可).

備考

隔年で開講.本年度開講する.