認知心理学
教授・濱田 治良
2単位
目的
外的環境に対する人間の優れた適応力を,私たちは日常生活のなかで疑問に思うことがないが,考え直してみると極めて不思議なことである.人間は外的環境の認知を物理的な刺激からだけではなく,記憶や知識体系との統合によって実現している.本講義では,心理学的な実験を通して明らにされた研究成果を紹介しながら,できるだけ平易に人間の認知の機能について考察する.特に,外的環境に対する空間の認知,パタ-ン認知,人間の記憶などを人間の情報処理の観点から概説し,人間を理解する試みを紹介する.
概要
パターン認知と人間の記憶
先行科目
注意
講義は随時資料を配付しながら進める.
目標
1. | 人間が外的環境を物理的な刺激からだけでなく,記憶や過去経験との統合によって実現していることを理解する. |
計画
1. | 授業は概ね次の3章から構成されている. |
2. | (1) 空間の認知 |
3. | 1)大きさの恒常性 |
4. | 2)大きさ·距離不変仮説 |
5. | (2) パターン認知 |
6. | 1)形の恒常性 |
7. | 2)対称性の認知 |
8. | 3)心的回転 |
9. | 4)視覚的注意 |
10. | (3) 人間の記憶 |
11. | 1)感覚記憶 |
12. | 2)短期記憶 |
13. | 3)長期記憶 |
評価
期末試験(持ち込み不可),レポート及び出席状況によって評価する.
再評価
行わない.
教科書
中溝·箱田·近藤訳「情報処理心理学入門I·II·III 」サイエンス社, 大村彰道訳「人間の記憶-認知心理学入門」東大出版会, 御領·菊地·江草共著「認知心理学への招待」サイエンス社
連絡先
濱田(3S02, 088-656-7195, hamada@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜日,12時∼13時