2008年度 総合科学部 自然システム学科 数理·情報コース 学部課程 — 3年(後期)

微分方程式II

准教授・村上 公一

2単位

目的

数学を使って自然現象や社会現象を解析しようとするとき,微分方程式によるモデル化が有効な方法となり,その解を調べることによって現象の解明や予測などが行われる.たとえば,惑星の運動,化学反応,生物の個体数変化といった様々な現象が微分方程式でモデル化される.ただし,モデル化された微分方程式が非線形の場合は,解を具体的に求められないことが多い.このようなときは,計算機シミュレーションを活用しながら,解の持つ定性的性質を調べることが有効な手段となる.この授業では,微分方程式の解の安定性や周期解の存在などの定性的性質を調べるための数学的な方法を紹介し,種々の現象解析のための基礎知識を身につけてもらう.

概要

解軌道の描画にパソコンを活用しながら,微分方程式の解の定性的理論を初歩から理解してもらう.理論的に求めた結果と,パソコンによる実験結果を照らし合わせて検証しながら,理解を深めていってもらいたい.理解度にあわせて,内容や進度を調整します.

キーワード

微分方程式,安定性

先行科目

微分方程式I

目標

1.微分方程式の平衡点の安定性を調べ,解軌道の概形が描けるようになること

計画

1.行列の指数関数
2.線形系の解軌道
3.平衡点の安定性
4.相平面解析
5.リャプノフの方法
6.周期解の存在
7.分岐現象

評価

期末試験と授業への取り組み状況により評価する.

再評価

教科書

指定しない

参考資料

笠原晧司著「微分方程式の基礎」朝倉書店

丹羽敏雄著「微分方程式と力学系の理論入門」遊星社

連絡先

村上(1206, 088-656-7221, murakami@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 後期 木曜日 12:00∼13:00