2008年度 総合科学部 自然システム学科 数理·情報コース 数理科学サブコース 学部課程 — 3年(後期)

幾何学II

教授・桑原 類史

2単位

目的

幾何学とは,図形およびその入れ物である空間の性質を明らかにすることを目的とした理論である.どの様な対象を,どの様な視点および方法で研究するかによって,種々の幾何学体系がある. 本講義では,ベクトル解析の基礎的範囲を講述する.ベクトル解析は,空間やそのなかの曲面上で定義されたベクトル場の性質に関する理論であり,それを通じて幾何学的な視点を養うことができる.また,解析学の各分野(微分方程式論など)や物理学(力学,電磁気学など)において必須の道具でもある.

概要

微積分および線形代数の基礎のもとに,ベクトル解析の基礎的内容を講義と演習によって身につけるようにする.できれば物理現象への応用についても言及したい.

キーワード

スカラー場·ベクトル場,勾配·回転·発散,線積分·面積分,ストークスの定理,ガウスの発散定理

関連科目

力学

注意

ベクトル解析は,空間,曲面上のベクトル値関数の微積分の理論であるから,2変数(多変数)関数の微積分(偏微分,重積分)についての基礎的知識は必須である.また,普段から演習などの自主的勉強を期待する.

目標

1.1. スカラー場,ベクトル場に関する種々の概念(勾配,回転,発散など)意味と基本的性質を理解し,具体的な計算を実行できる.
2.2. ベクトル場に関する積分定理を理解し,具体例に応用できる.
3.3. ベクトル解析が曲面の性質の考察や,力学,電磁気学に応用される実例を学ぶ.

計画

1.Introduction, スカラーとベクトルの復習
2.ベクトルの外積
3.スカラー3重積とベクトル3重積
4.1変数ベクトル(値関数)の微分積分
5.空間曲線,曲面
6.スカラー場の勾配
7.ベクトル場の発散
8.ベクトル場の回転
9.勾配,発散,回転に関する諸公式
10.スカラー場·ベクトル場の線積分
11.スカラー場·ベクトル場の面積分
12.ガウスの発散定理
13.グリーンの定理
14.ストークスの定理
15.補足およびまとめ
16.期末試験

評価

授業中に課す演習問題,レポート課題などの評価と期末の試験によって評点を付ける.

再評価

有り

教科書

参考書:立花,勝野,山口他著「Advancedベクトル解析」共立出版

連絡先

桑原(総合科学部1号館2階1223号室, 088-656-7226, kuwabara@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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