2008年度 総合科学部 自然システム学科 生命·環境コース 生命環境サブコース 学部課程 — 3年(前期)

2008年度 総合科学部 自然システム学科 生命·環境コース 生命機能サブコース 学部課程 — 3年(前期)

細胞情報学II

教授・小山 保夫

2単位

目的

(1)細胞情報学 I で得た知識を活用して,細胞のシグナル伝達に関する最近の知見を読み,さらに知識を深める.ついでに,それらの知識をどのように利用したら,進学/就職の際に役立つか,伝授する. (2)<現代GPをサポートする為に>化学物質の総数は二千万種類を超えてる.私たちが商業的に入手できる化学物質の数も十万種類程度はある.ところが,個々の化学物質の毒性について十分に検討されているわけではない.そこで,この講義では細胞の基本的な機能,生存(増殖)と死などに焦点を当て,それらに化学物質がどのような影響を与える可能性があるのか,幅広く解説を行う.ただし,研究者は過剰な可能性を主張する場合があるので,どのような研究が役立つかも講義する. (3)<就職一般教養試験や大学院受験をサポートする為に>英語の教材を用いる.しかし,英語が不得意でも大丈夫,どの様に英語を訳して行くか,それも講義する.生体内のシグナル伝達の知識も付けながら,一般教養,環境科学,生命科学の英語の基本的な力も付く様に進めて行く.要は,将来への準備をする一歩である.

概要

化学物質(環境汚染物質,医薬品,生物毒など幅広く含む)の細胞情報システムに対する影響と生理機能変化(生命科学的な知識の基礎医学,環境科学への応用),その知識の将来的利用方法の教える.

注意

細胞情報学 I を受講していることが望ましい.しかし,基礎から講義するので,理解できると考えている.

目標

1.細胞のシグナル伝達に関係する最近の知見に自由にアクセスし,自分で知識を深めていくことができるようにする.
2.化学物質が有している毒性を細胞レベルで理解できるようにする.
3.知識をどのように利用するか,講義する.

計画

1.細胞のシグナル伝達についての知識を深める.各種の受容体と細胞内シグナル伝達についての研究論文に接してみよう.(その1)論文の探し方
2.(その2)生命科学・環境科学論文の正しい読み方(緒言)
3.(その3)生命科学・環境科学論文の正しい読み方(方法)
4.(その4)生命科学・環境科学論文の正しい読み方(結果)
5.(その5)生命科学・環境科学論文の正しい読み方(考察)
6.以下の項目6-10は<現代GP>をサポートする内容
7.化学物質の細胞レベルでの毒性についての知識を深める.(B)化学物質による細胞死の種類とメカニズム
8.化学物質の細胞レベルでの毒性についての知識を深める.(C)細胞増殖と化学物質による修飾
9.化学物質の細胞レベルでの毒性についての知識を深める.(D)これまでの化学物質による環境被害(健康被害)など
10.化学物質の細胞レベルでの毒性についての知識を深める.<6∼9の不足分>
11.国際的な学術誌の内容が細胞情報学(2年後期)の知識により理解できることを確認する. NatureまたはScienceからの論文.
12.将来の進路と合わせた内容(1)大学院への進学
13.将来の進路に合わせた内容(2)企業への就職
14.将来の進路に合わせた内容(3)他学部への編入学
15.データを考察する力(データから何が言えて,何が言えない?)
16.講義でどのような力が付いたか,知識の総点検

評価

基本的には筆記試験の成績のみで評価する.あとは学生便覧の試験細則に準拠.しかしながら,得点が低い場合には出席や小テストの結果を加味する可能性もある.

再評価

なし.

教科書

用語の意味などはエッセンシャル細胞生物学で十分に対応できる.

連絡先

小山(3N06, 088-656-7256, oyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 特に設定しないが,学生の研究指導の都合上,午後3時ー午後4時30分が望ましい.