教育学
助教・弘田 陽介
2単位
目的
教育の理念の成り立ちを近代思想史の文脈において把握することをテーマとする.そのような歴史的知見を単なる知識にとどめずに,現在の教育言説や制度改革にまで連なる一つの思想の流れの中で解釈できるところまで,思想的な訓練を深めたい.また小発表を通して,文献や資料に沿って,自らの解釈を提示するというスキルを磨いていくことも到達目標としたい.
概要
教育の理念および思想史を,現在の私たちの問題として考えるために,教育制度の改革を支える人間把握の大きな転換として順序立てて捉えていく.授業は,主に講義・テクスト読解・映像分析をメインとするが,受講者の小発表を織り交ぜることで,活発に自由な議論が展開できるように工夫する.
計画
1. | 導入 授業の概略と進め方について |
2. | 現在の教育言説 教育改革の流れにおいて |
3. | 教育改革の時代(1) 18世紀後半のフランス |
4. | 教育改革の時代(1) 18世紀後半のドイツ啓蒙思想 |
5. | 学問としての教育学の形成 ペスタロッチからヘルバルトへ |
6. | 教育改革の時代(2) ヨーロッパ新教育の潮流 |
7. | 教育改革の時代(2) 日本における新教育 |
8. | 教育改革の時代(3) 1990年代から現在までの日本 |
9. | 教育を形作った思想 ルソー |
10. | 教育を形作った思想 カント |
11. | 教育を形作った思想 フーコー |
12. | 教育の理念における経験の思想 森有正 |
13. | 教育の理念における身体の思想 古典・芸道の理念 |
14. | レポートの構成・書き方 |
15. | まとめ |
評価
授業への積極的な参加(20%),小発表(30%),学期末のレポート(50%)
教科書
プリントを適宜用意する
参考資料
弘田陽介『近代の擬態/擬態の近代』(東京大学出版会・2007)
連絡先
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