2008年度 総合科学部 学部課程 教職に関する科目 — 2年(後期)

生徒指導論

徳島文理大学 非常勤講師・三橋 謙一郎

2単位

目的

生徒指導の本質,基本原理,領域,組織,方法および生徒指導上の諸問題について具体的な事例を取り上げながら言及していく.

概要

今日,学校教育においては,「不登校」「いじめ」「自殺」「学級崩壊」「無気力・無表情・無感動」や「ムカつく・キレる」等の子どもたちの問題行動が,社会的論議を呼んでいる. このような状況の中において,子どもたちの現実に即し,彼らが人間らしい生き方を営むことができるようにすることをめざす生徒指導の本質を十分に吟味し,その基本原理について論述していきたい.次に,生徒指導の領域については,特に健康・進路・道徳・学業指導に関する領域に力点を置いて言及していきたい.また,生徒指導のための組織については,学校,地域,家庭との連携の強化という点に重点を置き,論述していきたい.さらに,生徒指導の方法については,集団·個別の双方からのアプローチに基づき,教師が共感の「まなざし」で子どもたちと向かい合い,彼らの身(心)に語りかけ,問いかけ,ねうちづけていくことの重要性に言及していきたい.最後に,生徒指導上の諸問題については,上述した子どもたちの今日的な問題行動を中心に取り上げ,新聞の切り抜き記事や問題行動を収録したビデオテープの参観に基づいて,生徒指導の理論を踏まえ,問題行動克服のための具体的実践的なあり方を追求していきたい.また講義を中心としながら小集団による班話し合いも取り入れながら,授業を進めていく.

キーワード

①人間らしい生き方の追求,②学校·地域·家庭との連携,③集団的アプローチ,④個別的アプローチ,⑤問題行動の克服

注意

生徒指導の理論に関しては,講義を中心に,生徒指導の実践に関しては,グループ討議を中心に指導を行いたい.予習・復習を必ず行うこと.

目標

1.生徒指導の目標・内容および方法について,理論的,且つ,実践的に理解する.

計画

1.生徒指導の本質
2.生徒指導の基本原理
3.生徒指導の領域(1)
4.生徒指導の領域(2)
5.生徒指導のための組織 ―校内における指導体制―
6.生徒指導のための組織 ―教育相談―
7.生徒指導のための組織 ―家庭·地域との連携―
8.生徒指導の方法 ―集団指導の方法―
9.生徒指導の方法 ―個別指導の方法―
10.生徒指導の方法 ―指導技術のあり方―
11.問題行動への対応(1) ―「不登校」―
12.問題行動への対応(2) ―「いじめ」―
13.問題行動への対応(3) ―「場面緘黙」―
14.問題行動への対応(4) ―「学級崩壊」―
15.問題行動への対応(5) ―「引き込もり」―
16.問題行動への対応(6) ―「ムカつく·キレる」―

評価

テスト・レポート及び出席状況等により,総合判断する.

再評価

実施する.

教科書

教科書:適宜プリントを配布する.

参考書:三橋謙一郎著『今どきの子どもにどう関わるか―「まなざし」の教育実践―』ふくろう出版,2005年

連絡先

メールアドレス:mihashi@tokushima.bunri-u.ac.jp
オフィスアワー: この授業終了後,1時間.