2008年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(前期)

地盤力学

Geomechanics

教授・山上 拓男

2単位

目的

前半の斜面安定解析の講義においては,斜面が崩壊するメカニズムを理解し,それに基づいて斜面の安定性を定量評価する手法を学ぶこと.後半の土圧論では壁状構造物に土が及ぼす力(土圧) の作用メカニズムを理解し,そうした構造物を適切に設計し得る基礎学力を身に付けること.

概要

講義の中心課題は,斜面安定解析理論であれ土圧論であれ,その背後にある物理(力学) 現象のメカニズムをしっかりと理解する事にある.そのため,教科書,パワーポイント,OHP,板書を適宜交えた講義を行うが,特に視覚を介しての理解を重視する立場から,パワーポイント,OHP を多用する.

キーワード

斜面安定,安全率,土圧,擁壁

関連科目

地盤工学

要件

「土の力学1」「土の力学2」の履修を前提とする.特に「土の力学2」で学習する''土のせん断''に関する基礎知識を十分身に付けておくこと.

注意

なし

目標

1.極限平衡法に基く斜面安定問題が高次の不静定問題となることを理解する.(1∼4回)
2.長大斜面の理論と簡便分割法における安全率算定式が誘導でき,またBishopの厳密法と簡便法について理解を深める.(5∼8回)
3.壁の動きと静止土圧,極限土圧(主働土圧,受働土圧)の関係を理解する.(9∼11回)
4.砂質土に限定してクーロンとランキンの土圧論を理解し,具体的な計算ができる.(12∼14回)

計画

1.斜面安定概論
2.安全率の定義
3.分割法による安定解析(その1)
4.分割法による安定解析(その2)
5.簡便分割法
6.Bishop 法
7.長大斜面の安定(その1)
8.長大斜面の安定(その2)
9.土圧概論
10.静止土圧
11.極限土圧(主働土圧,受働土圧)
12.ランキン土圧(その1)
13.ランキン土圧(その2)
14.クーロン土圧
15.総括
16.期末試験

評価

期末試験で評価する.それぞれの到達目標に対応する期末試験の設問に対する評点がすべて60%をクリアした場合を合格とする.到達目標1∼4の配点の重みを30%:30%:20%:20%とし,成績は評点の合計で算出する.

JABEE合格

【成績評価】と同一である.

JABEE関連

本科目は本学科の教育目標の3(3)に,100%対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

「土の力学1」「土の力学2」と同じ教科書を用いる.

参考資料

補足説明資料としてプリントを配付し,解説する.また,「土質力学」「土の力学」をタイトルとする書物であればどのようなものでも参考になるので図書館を利用するなどして多くの参考書に目を通すことを薦める.

連絡先

山上 (A401,088-656-7345,takuo@ce.tokushima-u.ac .jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること