2008年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 2年(後期)

電気磁気学3

Electromagnetic Theory (III)

准教授・富永 喜久雄

2単位

目的

電磁現象を記述する基礎方程式であるMaxwell方程式を解説し,これより電気と磁気に関する現象を統一的に説明するとともに,電磁波·光波の諸性質を理解する.

概要

マクスウェル方程式から導かれる電磁現象の基礎法則を説明し,マクスウェル方程式の理解をすすめる.また,電磁波のエネルギー保存則を導き,電磁波により伝送されるエネルギーについて説明する.誘電率の異なる誘電体の境界面での電磁波の振る舞いを説明し,電磁波の反射率および透過率を計算する方法について述べる.空間や分布定数線路での波動の伝播特性について述べる.エネルギーの供給についても述べる.アンテナからの電磁波放射原理を説明し,その放射特性について述べる.

キーワード

電気磁気学,マックスウェル方程式,電磁波,電波の伝播,遅延ベクトルポテンシャル

要件

「電気磁気学1,2」を履修していること.

注意

短期間での集中した授業であるため,各回の授業内容を理解して次に進むようにする.そのためにオフィスアワーを積極的に利用すること.

目標

1.Maxwell方程式の物理的意味を理解し,静的·動的電磁現象を統一的に理解する.
2.電磁波の伝播に関する基礎事項を理解する.

計画

1.ベクトル演算による電磁気の表現(div,rotの定義と物理的意味,電気磁気学での役割)
2.Maxwell方程式と変位電流
3.1.2の例題による解説
4.波動方程式と電磁波
5.電磁波の境界条件
6.導体内の電磁界
7.平面波の反射と屈折(s偏光とp偏向,スネルの式,反射率の式)
8.ポインティングベクトル
9.再度,ベクトル解析,曲線座標系でのマクスウェル方程式
10.波動の伝搬,反射
11.分布定数線路と整合
12.エネルギーの供給の話
13.電磁界のポテンシャル表示(スカラーポテンシャル)
14.電磁界のポテンシャル表示(ベクトルポテンシャル)
15.波源からの電磁波の放射と回折現象,シンクロトロン放射光について
16.期末試験(到達目標1,2の評価)

評価

試験100%で評価し,60%以上で合格とする.

JABEE合格

期末試験での成績が6割以上を合格とする.

JABEE関連

(C)工学基礎30%,(D)専門基礎70%

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

藤田広一著「続:電磁気学ノート」コロナ社,および小塚洋司著,「電気磁気学」森北出版(電気磁気学1,2の教科書)

参考資料

電気磁気学3講義ノート(配布資料),小塚洋司「電気磁気学:第13章」(電気磁気学1,2の教科書),森北出版;藤田広一「電磁気学ノート」コロナ社;ファインマン,レイトン,サンズ著,宮島龍興訳「ファインマン物理学,電磁気学」および戸田盛和訳「ファインマン物理学,電磁波と物性」いずれも岩波書店およびその英語版R.P.Feynmann, R.B.Leighton and M. Sands, Lectures on Physics, Vol.2, Addison-Wesley publishing company.

連絡先

富永(E棟2階南 A-6, 088-656-7439, tominaga@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜日,金曜日,午後17:00-18:30

備考

.パワーポイントを使用する.講義録用メモリを用意すること.