2008年度 工学部 光応用工学科 昼間コース — [必修] 1年(前期)

光応用工学セミナー1

Optical Science and Technology Seminar 1

助教・岡本 敏弘, 助教・柳谷 伸一郎, 助教・山本 裕紹, 教務委員会委員

1単位

目的

「習うより慣れよ」という諺があるように,光応用工学を学ぶには,「光」を肌で感じることが大切である.しかし,現在の高等学校教育では簡単な光の実験をする余裕もないのが実状である.そこで,本セミナーでは,レンズ,回折格子,偏光板などを使って,簡単な光の実験を行い,光というものを楽しく理解することを主眼としている.

概要

凸レンズ,凹レンズ,回折格子,偏光板の光学素子などを使って,ピンホールカメラ,分光器,偏光器などの実験器具を各自製作する.そしてそれを使った簡単な実験を行う.また,グループでの創作,発表会を行う.各テーマの内容を以下に示す.·製図:立体的に理解し易く図示するためのテクニカルイラストレーションとして,投影法を学ぶ.·ピンホールカメラ:ピンホールカメラを製作する.光線と像の対応を理解する.·偏光:(1)偏光について,波の基礎的な概念を身近にある偏光現象の観察を交えて学習する.偏光を利用したステンドグラスを製作する.(2)ガラス板を利用した偏光器を製作し,偏光と反射·屈折の関係を理解する.·プリズム:アクリル製のプリズムを製作し,光学部品製作工程や評価方法について理解する.プリズムで生じる全反射現象を理解する.·レンズ:(1)パターンをスクリーンに結像することで焦点距離を調べる装置を製作し,結像の式を理解する.(2)レンズを組み合わせた光学系を使った,画像転送実験をする.·グループ製作·発表会:セミナー1で学んだ光学知識·技術を応用した作品をグループ単位で製作する.グループで製作した作品について発表し,それについて審査·討論を行う.·回折格子:スリットと回折格子を組み合わせた簡易スペクトル観察器を製作し,分光について理解する.·分光器:波長読み取り可能な分光器を製作する.製作を通じて,分光器の構造の理解と,工作技術の向上をはかる.·結晶光学:結晶と偏光板を使った観察により,結晶の持つ光学的性質を理解する.

キーワード

屈折,反射,偏光,回折,結像

目標

1.光学の基礎である反射,屈折,偏光,回折,結像を理解できること.
2.反射,屈折,偏光,回折,結像を用いた簡単な器具を自分で製作し,レポートで報告できること.
3.創意,工夫された器具をグループで製作し,その創意,工夫点を発表できること.

計画

1.ガイダンス
2.ピンホールカメラ
3.プリズム
4.偏光1
5.レンズ1
6.回折格子
7.偏光2
8.レンズ2
9.分光器
10.グループ製作,グループ紹介(web利用)
11.グループ製作,中間報告(web利用)
12.グループ製作
13.製図,発表資料作成
14.発表会
15.結晶光学

評価

授業への取り組み(積極性,質疑,記録ノート)30%,レポート評価 30%,作製器具の評価 20%,グループ製作·発表 20%.全体で60%以上で合格とする.

JABEE合格

JABEE合格は単位合格と同一とする.

JABEE関連

光応用工学科の教育目標(B),(F)と関連する.

参考資料

「光の基礎」の参考書(Paul G. Hewitt他著,小出昭一郎監修,本田健著「電気·磁気と光」共立出版)など

連絡先

岡本(光棟207号室, 088-656-9412, okamoto@opt.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
柳谷(光棟310, 088-656-9416, giya@opt.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
山本(光棟411, 088-656-9427, yamamoto@opt.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

1.光学素子(凸レンズ,凹レンズ,回折格子,偏光板etc.)を一括購入し,教材とする.
2.実際に手を動かして,演習,実験を行うことが重要である.欠席しないこと.
3.教材を光応用工学セミナー2でも使用することがある.
4.連絡,レポート・作品提出はオンラインで行うので,講義期間中はWEBをチェックすること.