2008年度 工学部 光応用工学科 昼間コース — [選択(A)] 3年(後期)

光導波工学

Guided-wave optics

教授・後藤 信夫

2単位

目的

光通信において用いられている光ファイバ中を光の通過する領域のサイズは,数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)である.このような狭い空間を伝わる光は,空気中のような境界のない空間を伝わる光とは異なる特徴的な振る舞いをする.本講義では,そのような狭い空間に閉じこめられた光の性質を理解し,現在の光通信技術や将来の光計算技術のための基礎的な知識,数学的技術を身につける.

概要

光導波路の中を伝搬する光の振舞い方について講義を行う.はじめに,光導波路解析の基礎としてMaxwell方程式から波動方程式,境界条件について復習する.光導波モードの理解のため光波屈折,反射についての解析を行い,モード形成の基礎を学ぶ.光導波路として階段屈折率導波路と分布屈折率導波路に関してモードとMaxwell方程式による解析を説明する.光ファイバ型の導波路として階段屈折率光ファイバに関して導波モードを解説する.最後に導波路に加えて光通信システムの構成要素である光変調と光検出について説明した後,光通信の現状について学習する.

キーワード

光波伝搬,光導波路,光ファイバ

関連科目

光通信方式

目標

1.光導波路解析のための電磁気学的基礎を理解していること.
2.光導波路のモードと導波条件を理解していること.
3.2次元導波路におけるモードとMaxwell方程式による解析手法を理解していること.
4.光ファイバの導波モードを理解していること.
5.光通信システムの構成を理解していること.

計画

1.光通信の基礎,光導波路の構成
2.光導波路解析のための基礎
3.光導波路とモード
4.階段屈折率導波路1(モードと導波条件)
5.階段屈折率導波路2(Maxwell方程式による解析)
6.階段屈折率導波路3(群速度と位相速度)
7.分布屈折率導波路1(モード)
8.分布屈折率導波路2(Maxwell方程式による解析)
9.分布屈折率導波路2(光線方程式による解析)
10.階段屈折率光ファイバの導波モード1
11.階段屈折率光ファイバの導波モード2
12.光変調の基礎
13.光検出の基礎
14.光通信の現状
15.まとめ
16.期末試験

評価

レポートとノート等の講義への取り組み状況と試験の点数とを比率3:7で評価する.全体で60%以上で合格とする.

JABEE合格

単位認定と同一.

JABEE関連

光応用工学科の学習目標 B

教科書

光ファイバ通信入門 末松安晴,伊賀健一 オーム社

参考資料

岡本勝就著,光導波路の基礎,コロナ社

國分泰雄著,光波工学,共立出版

連絡先

後藤(光応用棟4階408, 088-656-9415, goto@opt.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 8:30-17:00