2008年度 工学部 建設工学科 夜間主コース — [選択] 3年(後期)

コンクリート基礎技術

Basic Technology of Concrete

教授・橋本 親典, 助教・渡邉 健

2単位

目的

(社)日本コンクリート工学協会では,昭和45年にコンクリート技術者の技術の向上と地位の確保を図るため「コンクリート技士試験制度」を設け,「コンクリート主任技士」および「コンクリート技士」の資格認定試験を毎年実施している.本講義では,良質なコンクリート構造物を造るために,重要なコンクリートの諸性質や施工の要点に関する基礎技術について講義し, コンクリート技士の試験問題(択一問題)を解くことにより,建設材料,鉄筋コンクリートの力学の知識の内容を深め,コンクリート技士の資格試験に合格するために必要な知識や技術を取得する.なお,建設工学の専門応用科目群の1分野である鉄筋コンクリート工学に関連する実務問題に正しく適用できる能力を養い,鉄筋コンクリート構造物の設計に必要な基礎知識を修得させる.

概要

前半部では,構造物に要求される品質のコンクリートの配合設計方法,プラントでのコンクリートの製造方法,建設現場で施工する場合の,計量,練りまぜ,運搬,打込み,締固め,養生などの基本的事項について講義する.後半では,コンクリート技士試験の問題と解説を行い,試験問題の傾向と対策について講義する.

キーワード

コンクリートの配合設計,製造,コンクリートの品質管理,コンクリートの施工,コンクリート技士試験

要件

2 年前期開講の「材料入門」,2 年後期開講の「鉄筋コンクリートの力学」および昼間コース2年後期開講の「コンクリート工学」を受講しておくことが望ましい.

注意

なし

目標

1.コンクリートの配合設計方法,製造方法,品質管理の考え方および施工方法について理解する.
2.コンクリート技士試験問題の出題傾向およびコンクリート技術と関連性について理解する.

計画

1.ガイダンスおよびコンクリートの配合設計方法(基本的な考え方)
2.コンクリートの配合設計方法(具体的な問題)
3.レポート1の解説およびコンクリートの製造
4.コンクリートの品質管理と検査
5.レポート2の解説およびコンクリートの施工(概説・運搬・締固め)
6.コンクリートの施工(鉄筋工・養生・注意を要する施工)
7.各種コンクリート
8.ダムと舗装·コンクリート製品
9.中間試験(到達目標1)
10.コンクリート技士試験問題(コンクリート用材料の品質,試験·管理)
11.コンクリート技士試験問題(コンクリートの試験・プラントの計画管理)
12.確認試験(第10講および第11講)
13.コンクリート技士試験問題(コンクリートの製造および品質管理)
14.コンクリート技士試験問題(コンクリートの施工・各種コンクリート)
15.確認試験(第13講および第14講)
16.期末試験(到達目標2)および授業評価アンケートの実施

評価

到達目標1の達成度を,レポート1とレポート2の割合を1:1として算出される評点により評価し,レポート評価点と中間試験の評価点を1:1として評点を算出し,評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.到達目標2の達成度を,第12講および第15講の確認試験の割合を1:1として算出される評点により評価し,評点が60%以上を当目標のクリア条件とする.2つの到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と到達目標2の評点の平均値として算出する.

対象学生

開講コース学生と同学科の昼間コース学生も履修可能

教科書

田澤栄一編者『エースコンクリート工学』朝倉書店

参考資料

岡田·笠井編『コンクリート技士合格必携』技術書院

小林一輔監修『コンクリート実務便覧』オーム社

日本コンクリート工学協会編『コンクリート便覧』技報堂

連絡先

橋本(A505, 088-656-7321, chika@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 2005年度前期:金曜日14:35∼16:05<昼間コース>,火曜日18:00∼19:30<夜間主コース>

備考

1.レポートは提出期限を厳守すること.なお,中間試験の日程は, 講義の進度と日程によって変動するので,注意すること. また,期末試験は,原則として2回の確認試験で到達目標2が不合格の者に対して実施する.ただし,到達目標1が不合格な場合は,到達目標1に対しても試験を行う場合がある.
2.昼間コースの学生のJABEE合格は【成績評価】と同一である.