2008年度 工学部 化学応用工学科 夜間主コース — [選択] 3年(後期)

生物物理化学

Biophysical Chemistry

教授・松木 均, 助教・玉井 伸岳

2単位

目的

細胞膜の構造や生体内反応を理解するための基礎となる界面現象·電気化学·反応速度論の初歩を履修し,生命現象が分子やイオンのレベルで理解できるよう基礎知識を修得させる.

概要

物理化学1,2で学習した知識を基礎とし,化学反応の動力学的側面,電気化学における電極の取り扱い,界面とコロイド状態の基礎について講義する.特に,生命現象と関連する酵素反応速度,細胞膜の膜電位,生体膜の構造と機能については詳細な議論を加える.

キーワード

化学反応速度論,電極論,界面とコロイド

要件

物理化学1,2の履修を前提として講義する.

注意

講義中に2回の小テストを行うので,予習,復習をしっかり行うこと.

目標

1.反応速度の取り扱いを理解し,基本的速度式の導出ができる.
2.電極反応の熱力学的取り扱いができる.
3.界面現象とコロイド溶液の性質について理解を深める.

計画

1.化学反応速度論(1)化学変化の速度,反応の次数と分子数,一次反応速度式
2.化学反応速度論(2)二次反応速度式,速度定数と平衡定数
3.化学反応速度論(3)反応速度に及ばす温度の影響,圧力の影響
4.化学反応速度論(4)活性複合体理論(絶対反応速度論)
5.化学反応速度論(5)酵素反応,酵素阻害,小テスト
6.電気化学
7. 〃
8. 〃
9. 〃
10. 〃
11.界面とコロイド(1)コロイド状態,表面張力,曲面の表面張力
12.界面とコロイド(2)溶液の表面張力,界面の熱力学
13.界面とコロイド(3)単分子膜,二分子膜,細胞膜
14.界面とコロイド(4)会合性コロイド,Langmuirの吸着等温式
15.界面とコロイド(5)界面電気現象
16.期末試験

評価

講義内容に対する理解力の評価は,講義への出席状況40%,レポートと小テスト30%,および定期試験の成績30%を総合して行う.到達目標への到達度60%以上並びに出席率80%以上を合格とする.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

W.J.ムーア著(藤代亮一訳)「物理化学(上)9章」,「物理化学(下)11,12章」東京化学同人

参考資料

A.R.デナロ著(本多健一訳)「基礎電気化学」東京化学同人

連絡先

玉井(化学·生物棟609号室, 088-656-7520, tamai@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

原則として再試験は実施しない