2008年度 工学部 電気電子工学科 夜間主コース — [必修] 3年(後期)

電気電子工学実験

Electrical and Electronic Engineering Laboratory

教授・久保 智裕, 准教授・下村 直行, 准教授・北條 昌秀, 講師・芥川 正武, 講師・敖 金平, 助教・川上 烈生

2単位

目的

電気電子工学に関する基本的な実験を通じて,必要な実験方法や電気電子現象理論の基礎に関する理解を深めると共に.各種電気電子機器の取扱い方法を習得する.また実験結果をまとめることにより,知的な実験レポートの作成方法を修得する.さらに様々な実験を通し,安全意識(安全教育),科学者・技術者としての倫理観の芽生えを促す.

概要

本質的に,本実験で実験装置を操作し結果を収集し,その結果を考察する作業を通して,講義で知り得た知識が身を持って実証した貴重な知識となる.本実験は,基本的でかつ幅広い実験課題,(1)インピーダンスの測定,(2)共振特性,(3)交流磁化特性,(4)オシロスコープ,(5)トランジスタの特性,(6)薄膜の作製とその評価,(7)単相三線式線路の試験,(8)直流分巻電動機,(9)ディジタルICの特性,(10)シーケンス制御に取り組み,その基本的な電気電子技術の理解を深める.なお,各実験の詳細な概要については実験計画を参照すること. また,実験結果をまとめることで,知的なレポート作成能力も養う.

キーワード

電気回路,電子回路,電気機器,半導体プロセス,計測·制御

関連科目

計測工学

要件

特に定めないが,各実験課題の対応する講義を習得していることが望ましい.

注意

すべての実験について実験報告書の提出が求められる.すべての実験を行い,すべての報告書が合格した人のみ単位が与えられる.また,実験の際には,少なくとも,実験データ記録ノート,関数電卓を持参すること.

目標

1.電気電子工学実験対象の原理および特性を理解すること.
2.計画的かつ安全に実験を実行し,電気電子工学実験対象の特性の検証に必要なデータの収集・解析ができること.
3.電気電子工学実験内容に基づいた知的な実験レポートの作成ができること.

計画

1.学生実験の意義について(1週)学生実験の意義について詳しく説明する.
2.インピーダンスの測定(1週) 電気抵抗,コイルのインダクタンス,コンデンサのキャパシタンスを実測する.
3.共振特性(1週) 直列共振回路および相互誘導による結合回路の電圧電流を測定して共振現象を調べる.
4.交流磁化特性(1週) 環状鉄心資料の交流磁化特性をオシロスコープによって実測し,磁気現象について調べる.
5.オシロスコープ(1週) ブラウン管オシロスコープの性能,構成および取扱方法を知り,種々の信号を測定する.
6.トランジスタの特性(1週) 接合トランジスタの基本回路の静特性と電界効果型トランジスタの特性を測定し,動作原理を理解する.
7.薄膜の作製とその評価(I)(II)(2週) 半導体デバイスプロセスを実際に体験し,作製の各段階における評価方法を通じて,物理計測について学ぶ.
8.単相三線式線路の試験(1週) 模擬単相三線式配電線路を用いて単相三線式配電方式の電気的特性を実験的に求め,理論と特性を理解する.
9.直流分巻電動機(1週) 直流分巻電動機の始動方法および速度制御方法について習得し,実負荷試験を行いその性質を調べる.
10.ディジタルICの特性(1週) 代表的なディジタル集積回路(IC, Integrated-Circuit)であるTTL-NAND回路及びCMOS-NAND回路の特性を調べる.
11.シーケンス制御(1週) PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を用いて,簡単な機器のシーケンス制御を行う.
12.予備実験日(1週)
13.テーマ(1),(2),(3),(4)の実験報告書の質疑応答とその改善(1週)
14.テーマ(5),(6),(7)の実験報告書の質疑応答とその改善(1週)
15.テーマ(8),(9),(10)の実験報告書の質疑応答とその改善(1週)

評価

実験報告書(レポート)で成績を評価する.各実験テーマぞれぞれについて,総合評価点が60%以上で合格とする.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

自製テキスト「電気電子工学実験」と必要に応じて配布されるプリント.

参考資料

各専門科目で使用した教科書と参考書.また,実験内容説明時に必要があれば紹介する.レポート作成については,中島利勝,塚本真也(知的な科学・技術文章の書き方,コロナ社)を参照のこと.

連絡先

川上(E棟2階南 A-10, 088-656-7441, retsuo@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

実験を行う前に,電気電子工学実験テキストを熟読すること.また,不十分な実験レポートの場合には再提出を課す.