2008年度 先端技術科学教育部 知的力学システム工学専攻 機械創造システム工学コース 博士前期課程

熱力学特論

Advanced thermodynamics

教授・末包 哲也, 准教授・清田 正徳

2単位

目的

エネルギを有効利用を一層進めるためには,単に省エネルギだけでなく,エネルギの質を加味した考え方が必要である.熱力学の第2法則に基づくエクセルギを理解し,実際のシステムに適用できる能力を身につけ,エネルギの有効利用をめざす.後半では,現代文明が化石燃料の大量消費により維持され,これにより地球環境にどのような影響を与えるかを概観し,エネルギー高度有効利用やグローバルなエネルギー物質循環と地球環境のかかわりについて,熱工学の立場から講述する.

概要

エネルギの有効利用のためにはエクセルギ解析が行われるが,まずエクセルギについての説明をした後,具体的な適用例について述べる.講義項目を次に示す. 1.エクセルギについて 2.蒸気プラントにおけるエクセルギ流れ 3.燃焼過程のエクセルギ 4.コジェネシステムにおけるエクセルギ流れ,である.後半では,地球温暖化やエネルギー大量消費の観点から,社会,経済,文明,技術の関連について講述する.

キーワード

エクセルギー,地球温暖化,化石燃料

要件

工業熱力学を修得していること.

目標

1.実際の系におけるエクセルギ流れの解析能力の修得.
2.理解しにくいエントロピーなどを具体的に計算することにより,その理解を深めるとともに計算能力を養う.
3.地球的視点からのエネルギー環境問題の理解.

計画

1.エクセルギについて
2.エクセルギの保存則
3.エクセルギを用いた計算
4.蒸気プラントにおけるエクセルギの流れ
5.燃焼過程の第2法則解析
6.燃料の持つエクセルギ
7.コジェネシステムにおけるエクセルギの流れ(1)
8.コジェネシステムにおけるエクセルギの流れ(2)
9.環境経済学・社会学
10.地球規模での環境変動
11.人類の活動と温暖化問題
12.在来型資源と非在来型資源
13.再生可能エネルギー
14.二酸化炭素分離貯留技術
15.廃棄物処理と物資循環
16.定期試験

評価

講義中に課すレポートと期末試験の成績を6対4で考慮する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

担当教員が配布するプリント

連絡先

末包(M521, 088-656-7373, suekane@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
清田(M522, 088-656-7374, kiyota@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)