2008年度 先端技術科学教育部 システム創生工学専攻 電気電子創生工学コース 博士後期課程

超伝導工学特論

Applied Superconductivity

教授・井上 廉

2単位

形態

講義形式とポートフォーリオ形式の併用

目的

実用化が始まりつつある超伝導技術と関連して,超伝導物性,超伝導応用,超伝導材料,及び低温工学等の周辺技術の総合的理解を深めるための講義をする.

概要

マクロな世界に出現した量子効果である超伝導現象は,完全反磁性,電気抵抗ゼロ,或いは磁束の量子化等の特異な性質を持っており,効率向上や測定精度向上の観点から,応用研究が進められてきた.しかし,超伝導は極低温でのみ出現するので,多大な冷却費がかかり,これが超伝導応用の足枷となっていた.しかし近年,冷却技術の大幅な進歩と高温で動作する超伝導体の発見により,超伝導応用は比較的容易となり,いくつかの超伝導応用は実用段階に入り新たな超伝導応用開発が進められている.本講義では,応用の観点から見た超伝導物性,実際の超伝導材料,超伝導材料の線材化プロセス,超伝導線材の安定化,超伝導マグネット設計法,超伝導マグネット保護装置,極低温冷凍技術,極低温断熱技術,超伝導応用,SQUID応用などを,工学の立場に立って,総合的理解を深める講義を進める.

キーワード

超伝導,超伝導応用,超伝導材料,低温工学

要件

電磁気学及び材料科学の理解

目標

1.超伝導物性について工学的観点から利点,欠点を理解をする.
2.超伝導特性の発現原理と材料学的可能性を理解する
3.超伝導応用とその可能性を理解する

計画

1.超伝導物性(I)
2.超伝導物性(II)
3.金属系超伝導材料
4.酸化物系·その外の高Tc超伝導体
5.フラックスジャンプと超伝導線材の安定化
6.金属系超伝導体の線材化技術
7.酸化物系·その外の超伝導体の線材化技術
8.超伝導マグネット製造技術及び周辺技術
9.極低温技術,冷媒作製技術,冷媒物性
10.低温容器,断熱法,冷却法
11.省エネルギー分野への超伝導応用
12.医療診断や環境保全への超伝導応用
13.新交通手段,核融合,素粒子加速器への超伝導応用
14.酸化物超伝導体の実用化への問題
15.SQUIDの応用
16.レポート提出

評価

レポ-ト50%,発表50%,で60%以上の成績が求められる.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

超伝導工学,電気学会編

超伝導材料,長村光造 著,米田出版

連絡先

井上(B-7, 088-656-7462, inouek@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜13:30 ∼ 17:30,水曜 13:30 ∼ 17:30