2008年度 人間·自然環境研究科 修士課程 人間環境専攻·自然環境専攻 研究科共通科目 現代科学基礎領域 — 1年(後期), 2年(後期)

生命科学特論II

教授・小山 保夫

2単位

目的

不誠実な科学を見抜く力を養う.

概要

研究者が出す科学的なデータが全て,意味があるものとは言えない.そこには単なる実験のための実験,論文のための実験もある.特に,生命科学の場合,ヒトに当てはめて実験データを解釈することがあるので,誠実な科学でなければならない.

注意

なし.

目標

1.誠実な科学を行う精神を養う.

計画

1.ある化学物質で生存率が98%から94%に変化した.これは死亡率が2%から6%に変化したことと同じか?
2.環境中に存在しない猛毒物質のヒトへの危険性を実験することは意味があるか?
3.生体に吸収されない化学物質の細胞毒性を調べる意味はあるのか?
4.血液中では分解される化学物質の作用をin vitroで細胞で調べる意味があるのか?
5.ガン細胞の増殖を抑制する化学物質は生体に有用か?
6.試しに「世界で最初の実験」をしてみよう(1)
7.試しに「世界で最初の実験」をしてみよう(2)
8.試しに「世界で最初の実験」をしてみよう(3)
9.試しに「世界で最初の実験」をしてみよう(4)
10.世界で最初の実験から得られた科学データは意味があるか?
11.科学データを意味があるように纏めてみよう(1)
12.科学データを意味があるように纏めてみよう(2)
13.科学データを意味があるように纏めてみよう(3)
14.ヒトにどのように適用できるか,可能性を考えてみよう(1)
15.ヒトにどのように適用できるか,可能性を考えてみよう(2)
16.それが本当に誠実な科学と言えるか,論文にはなるかもしれないけど,それを考えてみよう.

評価

講義への参加の程度を評価の基準にしますが,レポートによる評価を希望すれば,そのようにします.

教科書

この分野は玉石混合ですが,特に教科書·参考書などは指定しません.誰でも一冊くらいは環境問題に関係する本を持っているでしょう.

連絡先

小山(3N06, 088-656-7256, oyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 講義後30分·細胞情報学研究室(3N06)·oyama@ias.tokushima-u.ac.jp