英米文学特論
准教授・山内 暁彦
2単位
目的
元来,諷刺は,人間の持つ弱さや欠点をさまざまな手段で攻撃する行為であり,人類の営為としてきわめて根源的なものの一つである.欧米地域の言語文化においても,諷刺の文学,あるいは諷刺を重要な要素としている文学作品は数多い.本授業では,その中から,18世紀イギリスの諷刺家,ジョナサン·スウィフト(Jonathan Swift)の『ガリヴァ旅行記』(Gulliver's Travels)を取り上げる.作者スウィフトの人物像や彼の人間観を研究するとともに,作品を精読することにより,この作品は,いかなる形で当時のイギリスあるいはヨーロッパの文化を反映したものであるかを,歴史的,社会的,宗教的,文化的背景を学びつつ考察する.
概要
作品の原書を講読しながら,諷刺の対象,方法,効果などについて学び,諷刺の文学としての作品が持つ多義的な価値について考察する.
キーワード
諷刺
注意
受講生には随時発言を求めます.積極的に授業に参加する態度を望みます.
目標
1. | 『ガリヴァ旅行記』などの諷刺の文学を読む際に,多種多様な表現の裏に込められた作者の意図を推測したり,歴史的,社会的,宗教的,文化的な背景に思いを致したりしながら,作品の重層的な意味を多面的に理解することが自分なりにできるようになることを目標とする. |
計画
1. | イントロダクション |
2. | 『ガリヴァ旅行記』第3篇「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第1章(その1) |
3. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第1章(その2) |
4. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第2章 |
5. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第3章(その1) |
6. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第3章(その2) |
7. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第4章 |
8. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第5章 |
9. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第6章 |
10. | スウィフトの経歴と18世紀英国の科学 |
11. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第7章 |
12. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第8章 |
13. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第9章 |
14. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第10章(その1) |
15. | 「ラピュタ,バルニバービ,ラグナグ,グラブダブドリブ,及び日本渡航記」第10章(その2) |
16. | 前期のまとめ |
評価
出席状況,授業参加の態度,課題の提出状況,レポート試験の得点などを総合的に勘案し評価する.
再評価
行なう
教科書
Jonathan Swift, Gulliver's Travels (Oxford World's Classics, New edition, 2003)
参考資料
スウィフト作,平井正穂訳『ガリヴァー旅行記』(岩波文庫,1980年)
連絡先
山内(3308, 088-656-7132, yamauchi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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