2008年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 アジア文化 — 1年(前期), 2年(前期)

日本史特論

准教授・衣川 仁

2単位

目的

日本の歴史において仏教が果たした役割は,非常に大きいものがあった.その仏教を社会に反映させる具体的な方法としての祈りと,その担い手であった僧を軸として検討することで,仏教の古代・中世史における歴史的意義を改めて評価することが目的である.

概要

仏教,特にその祈りの効果や僧侶の活動の実態と,社会との関係を見ることで,古代・中世史における仏教の歴史的意義を史料に基づいて検討する.

キーワード

仏教,祈り,霊験,呪術

注意

史料をいかに読み解くかを重視するため,少なくとも語義を調べる方法など,漢文の基礎的知識は必要となる.また,講義形式ではあるが,「演習なみ」の積極的な参加を望みたい.

目標

1.史料から史実を読みとり,その歴史的な意義を理解する.

計画

1.「蕃神」と「国神」
2.〝聖徳太子〟の仏教
3.天平時代
4.桓武の皇子たちと空海
5.空海の呪術と技術
6.天台中興の祖・良源
7.悪僧の時代へ
8.摂関期の仏教と東アジア
9.「末法」の王朝社会
10.〝見えない力〟の展開
11.神仏の呪縛
12.霊験と帰依
13.院政期の王権と仏教
14.大仏炎上と再建

評価

レポートなどの課題を主たる評価対象とするが,授業への取り組みも勘案する.

再評価

なし

教科書

教科書は使用せず,プリント等を配布する予定である.参考書は授業の中で紹介する.

連絡先

衣川(088-656-7153, kinugawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日12時50分∼14時20分