2008年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 経済社会 — 1年(前期), 2年(前期)

地域社会論III(社会組織論)

准教授・樫田 美雄

2単位

目的

下記の目標を達成するために,講師が専門とする医療社会学,福祉社会学の分野における社会組織(医療面接研究·障害者研究等)における秩序を例として扱い,それらを現代社会論および相互行為分析(会話分析)の立場から検討する作業を受講生と共同して行う方法を採用する.社会学を中核とし,言語論的転回以後の現代哲学,オースチン,サールらの言語行為論,および医療倫理学に言及する.また,社会学は実証的学問であるので,調査方法論の初歩についても学習していきたい. なお,年度当初は学習の前段として,社会学という知の形態を驚きをもって感受する体験をしてもらうために,内田隆三らの情報社会論のテキストの読解を行う.最初の週に分担を決めるのでなるべく購入すること.基礎技法の習得に時間がかかるので,合宿を計画している(5月∼6月の土曜日の予定).努力しただけのことはある授業にしていきたい.

概要

本講義では,社会学的な発想を理解し,社会学の観点から現実社会の中の諸制度が持っている秩序を理解できるよう,学生を鍛えていきたい.

キーワード

インタビュー,エスノメソドロジー,社会学

注意

平成21年度は開講しない.平成20年度開講.教科書は,冊数が少ないため,生協にはとりよせない.開校時に使う順番等を伝えるのでその情報を得てから自力で調達せよ.社会学に関する予備知識は必要としないが,ゼミナール形式を採用するので,いよくある学生の参加を望む.最初の発表で能力を判別し,以後の授業のやり方を考えるので心して準備して欲しい.社会人歓迎.学部で開講されている関連の諸講義(ジェンダー研究,家族社会学研究I,II,現代社会研究等),樋口教員,矢部教員開講予定の地域社会論IIIの他の授業,上野加代子教授の授業,および,外部の研究会,学会への積極的参加を推奨する.初回のオリエンテーションは重要なので,欠席の場合は前もって連絡せよ.なお,4月26日は休講予定.補講は相談して日程を決める(kashida@ias.tokushima-u.ac.jp)

目標

1.社会学の立場で医療と福祉の社会組織に関して,大学院修士レベルの知識を得る.また,主として質的調査法(インタビュー,参与観察,会話分析,ビデオ分析)に関して初歩的な技能を身につけるベースを獲得する.同時に海外の文献の読解も行う.

計画

1.1)概要を説明.
2.2)テキストの読解.
3.3)インタビューの試み.
4.4)レポート報告.
5.5)総括討論.

評価

出席と発表と発言を総合的に評価する.レポートのできは参考とする.

教科書

教科書:(事前に購入の必要はない)内田隆三編『イメージの中の社会(情報社会の文化2)』東京大学出版会.

石川准·倉本智明編著『障害学への主張』明石書店

好井·山田·西阪編『会話分析への招待』世界思想社.

ダグラス·メイナード著『医療現場の会話分析』勁草書房.他は適宜授業中に指示する.

参考書:石川准·長瀬修編『障害学への招待』明石書店.

齋藤清二『初めての医療面接-コミュニケーション技法とその学び方』医学書院.山崎敬一·西阪仰編『語る身体·見る身体』ハーベスト社.山崎敬一編『実践エスノメソドロジー入門』有斐閣.西阪仰『総合行為分析という視点』金子書房.

上谷 香陽氏の博士論文「ドロシー·スミスのフェミニスト社会学について」を最初に扱う.コピーを提供する.

連絡先

樫田(1224, 088-656-9308, HCB00537@nifty.ne(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前期は,金曜日午後1時半∼2時半.1号館南棟2階1224室.kashida@ias.tokushima-u.ac.jp.

備考

隔年開講.平成18年度.次は,平成20年度開講.