2008年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 経済社会 — 1年(前期), 2年(前期)

地域社会論III(社会変動特論)

准教授・樋口 直人

2単位

目的

55年体制終焉後の地方政治は,改革派知事の登場,無党派が政党相乗りに勝利する知事選の定着,住民投票の成功など,従来では考えられない変化を生み出してきた.こうした現象の背景にあるのは何か.この講義では,こうした問いを念頭におきながら地域政治と社会変動の関連について考える.

概要

この講義では,再帰的近代化と呼ばれる社会の変化について,まず学んでもらう.そのうえで,過去10年間の徳島の政治にみられる政治的激動について,文献を読みながら解釈を加えていく.さらに,地方政治と社会変動の関連に関して,現在他の都道府県で起きている現象も取り上げつつ,長期的な社会と政治の変化を理解する.

キーワード

政治,住民投票,住民運動,社会変動

注意

受講する方は,初回の授業の前に相談に来て下さい.

目標

1.地元徳島で生じた政治的激動の意味を,現在から振り返る形で考えていく.
2.政治と社会の変動の接点について理解してもらう.
3.·英語の文献を読むことにより,社会科学の原典を読む力を養う.

計画

1.オリエンテーション
2.『再帰的近代の政治社会学』序章
3.『再帰的近代の政治社会学』1章
4.『再帰的近代の政治社会学』2章
5.『再帰的近代の政治社会学』3章
6.『再帰的近代の政治社会学』4章
7.『再帰的近代の政治社会学』5章
8.『再帰的近代の政治社会学』6章
9.『再帰的近代の政治社会学』7章
10.『再帰的近代の政治社会学』8章
11.『再帰的近代の政治社会学』9章
12.『再帰的近代の政治社会学』終章
13.政治変動と社会変動に関する文献購読(1)(『市民の政治学』など)
14.政治変動と社会変動に関する文献購読(2)(『市民の政治学』など)
15.政治変動と社会変動に関する文献購読(3)(『市民の政治学』など)

評価

出席と発表による.

教科書

教科書 久保田滋他編『再帰的近代の政治社会学:吉野川可動堰問題と民主主義の実験』ミネルヴァ書房,2008年

参考書 篠原一『市民の政治学』岩波書店,2004年

参考書 ベック・ギデンズ・ラッシュ『再帰的近代化』而立書房,1997年

連絡先

樋口(1210, 088-656-7200, vyw03403@nifty.ne(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前期 水曜日12∼13時,研究室1号館南棟2F,VYW03403@nifty.ne.jp

備考

今年度開講