2008年度 人間·自然環境研究科 自然環境専攻 修士課程 選択科目 物質科学 — 1年(前期), 2年(前期)

量子科学特論

教授・中山 信太郎

2単位

目的

自然界を構成する基本的物質の形成メカニズムを主に原子核構造の実験を通じて理解し,微視的自然構造について理解を深める.

概要

原子核についてその空間的大きさや形状を理解する.原子核を形成する核子の運動を表すスピン‐パリティやアイソスピンを理解する.また,自然界に存在する原子核の種類が何によってきまるかを相互作用の性質から説明できるようになる.

キーワード

原子核構造,陽子と中性子,ラザフォード散乱,結合エネルギー

注意

学部で学習した科学の基礎知識をもとに講義する.特に,「力学」,「電磁気学」,「熱力学」,「量子力学」は復習しておく.

目標

1.原子核の性質を定性的に評価し,核子のとるエネルギー状態やセグレ図などを理解する.
2.原子核の液滴模型や殻模型の量子力学的計算をし,核子の状態について理解する.

計画

1.原子と原子核
2.原子構造,電子の軌道運動,スピン‐パリティ
3.ラザフォード散乱
4.衝突係数と角運動量保存則
5.散乱断面積
6.原子核の大きさ
7.中性子の発見
8.原子核の結合エネルギー
9.アイソトープとセグレチャート
10.原子核の構造
11.フェルミガス模型
12.調和振動子模型と殻模型
13.円資格の大きさと形
14.電子散乱でみる原子核
15.荷電変換反応でみる原子核
16.授業の総括

評価

期末試験で評価する.

教科書

(教科書)自製テキスト

(参考書)バイザー著「現代物理学の基礎」好学社,原康夫著「量子力学」岩波書店,八木浩輔著「原子核物理学」朝倉書店

連絡先

中山(1N02, 0886567236, nakayama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 在室時いつでも質問は受け付ける.

備考

隔年開講,今年度開講せず