2008年度 人間·自然環境研究科 自然環境専攻 修士課程 選択科目 物質科学 — 1年(後期), 2年(後期)

グリーン有機合成化学演習

教授・和田 眞

2単位

目的

化学は物質(もの)を作る科学であり,前世紀には人類の生活を格段に豊かなものにした.しかし,今,新しい世紀に入り,前世紀の豊かな物質文明を支えた大量生産·大量消費·大量廃棄路線の破綻がはっきりと見えてきた.一方で,化学物質の安全性が社会問題となり,その適切な解決なくして持続的社会を堅持することは危うい.この二つの問題に答えることは21世紀の化学の使命であり,そのためには環境にやさしい環境調和適応型化学,すなわちグリーン化学の実現が不可欠である.グリーン化学とは何かを明らかにし,グリーン有機合成化学の重要性を力説することを本授業の目的とする.

概要

持続的社会のためのグリーン有機合成化学

キーワード

グリーン化学,環境調和型有機合成化学,持続可能な社会

注意

何事にも貪欲な姿勢を求めます.

目標

1.環境調和適応型有機合成化学とは何かを理解し,その方法論および手法を具体的に学び,これからの有機合成化学の針路を考えられるようになることを目標とする.

計画

1.グリーン有機合成化学の具体例を講義し,その後,学生にグリーン化学の最近の論文を5編程読んでもらい,その内容について口頭発表を義務づける.その後全員で議論して,これからのグリーン化学について語る.
2.1)グリーン触媒-均一系錯体触媒-その1-
3.2)グリーン触媒-均一系錯体触媒-その2-
4.3)グリーン触媒-固体酸触媒-その1-
5.4)グリーン触媒-固体酸触媒-その2-
6.5)グリーン触媒-固体酸触媒-その3-
7.6)グリーン触媒-固体触媒-その1-
8.7)グリーン触媒-固体触媒-その2-
9.8)バイオ触媒
10.9)水溶液中でのルイス酸触媒反応-その1-
11.10)水溶液中でのルイス酸触媒反応-その2-
12.などを講義する.その後,学生による口頭発表会を行う.

評価

レポートを課す.

教科書

御園生 誠·村橋俊一 編「グリーンケミストリー」講談社サイエンティフィック発行

連絡先

和田(088-656-7251, wada@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: いつでも歓迎します.総合科学部3号館2階2N04教官室.E-mail: wada@ias.tokushima-u.ac.jp

備考

隔年開講,今年度開講.