2008年度 人間·自然環境研究科 自然環境専攻 修士課程 選択科目 物質科学 — 1年(前期), 2年(前期)

地球環境物質科学

准教授・西山 賢一

2単位

目的

水と酸素が豊富な地表環境で進行する岩石の風化現象は,斜面崩壊の予備物質を生産するプロセスという側面を持つ.この講義は,斜面崩壊予備物質である岩石の表層風化帯の形成過程,ならびに斜面崩壊・地すべりといった斜面変動の地形・地質的特徴について,実例に基づいて理解する.

概要

岩石の表層風化帯の形成プロセスと,斜面崩壊・地すべりと言った斜面変動について,実例に基づいて学ぶ.また,野外での観察実習を行う.

キーワード

災害地質学,岩石の風化,岩石の物理的性質,環境地学

注意

野外実習を行います.系統的な授業になるので欠席は厳禁です.

目標

1.岩石の表層風化帯の形成過程を理解するとともに,斜面崩壊·地すべりといった斜面変動の地質·地形的特徴について,実例に基づいて理解する.

計画

1.岩石の風化速度に関する研究例
2.段丘堆積物を用いた岩石の風化速度研究
3.塩類風化による特異な微地形
4.急崖の形成プロセスに及ぼすタフォニ·ノッチの影響
5.急速に進行する風化
6.土質力学の基礎
7.過去に発生した土砂災害に関する研究例
8.堆積岩地域で発生した1972年天草豪雨災害
9.火山岩地域で発生した1982年長崎豪雨災害
10.都市で生じる斜面災害
11.斜面崩壊発生時期の予測
12.斜面崩壊の現地調査1(野外実習)
13.斜面崩壊の現地調査2(野外実習)
14.斜面崩壊の現地調査3(野外実習)
15.斜面崩壊の現地調査4(野外実習)

評価

知識·技能の程度,理解度,授業に傾注する熱意などを総合的に判断して評価する.

教科書

参考書:「災害地質学入門」(近未来社),「理学部学生と理学部出身者のための土木地質学」(斯文堂),「Hillslope materials and precesses」Oxford University Press

備考

隔年開講,2008年度開講せず