2008年度 人間·自然環境研究科 自然環境専攻 修士課程 選択科目 生命科学 — 1年(後期), 2年(後期)

分子細胞環境論演習

助教授・渡部 稔

2単位

目的

ガン遺伝子および,研究における競争の原理を理解する.

概要

がん遺伝子の発見は,ここ20年余りの生物学の歴史の中でも最も大きなトピックのひとつである.そのがん遺伝子の発見の歴史を,前期の分子細胞環境論に引き続き「がん遺伝子に挑む(下)」を通読することで振り返る.さらにこの本に描かれている現在の生物学研究における競争,欧米の研究室の日常,研究者の研究に対するモチベーションについても討論する.

キーワード

ガン遺伝子,ガン抑制遺伝子,PI,ポストドク,大学院生

注意

毎回出席して,積極的に討論に参加すること.

目標

1.がん遺伝子の発見の歴史を知るとともに,がん遺伝子の正常な細胞の中での機能を理解する.さらに,生物学研究における競争·モチベーションに対する自分の考えを持つ.

計画

1.授業の説明および,テキスト(上巻)の要約
2.第八章「庭の小径をたどってーrasシグナルの追求ー」前半
3.第八章「庭の小径をたどってーrasシグナルの追求ー」後半
4.第九章「憂鬱な借り物」前半
5.第九章「憂鬱な借り物」後半
6.第十章「別経路」前半
7.第十章「別経路」後半
8.第十一章「ピンク色のキャディラック」前半
9.第十一章「ピンク色のキャディラック」後半
10.第十二章「スーパーフェクター・キー」前半
11.第十二章「スーパーフェクター・キー」後半
12.第十三章「鏡の国で見つかるもの」前半
13.第十三章「鏡の国で見つかるもの」後半
14.エピローグ
15.テキスト(下巻)の要約および,授業の総括

評価

授業態度と出席状況

教科書

「がん遺伝子に挑む(下)」(N.エインジャー著·野田洋子·野田亮訳.東京化学同人).

連絡先

渡部(088-656-7253, minoru@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 平日12:00-13:00