2008年度 人間·自然環境研究科 自然環境専攻 修士課程 選択科目 生命科学 — 1年(後期), 2年(後期)

生理環境論演習

教授・小山 保夫

2単位

目的

化学研究者の頑張りで,毎年,数十万種類の化学物質が生み出されている.しかし,これらの化学物質の毒性については検討されているわけではない.このような状況で,いかに簡便かつ迅速に毒性の評価を行うのか,極めて重要な課題である.それらを可能にするセンスを身に付ける.

概要

化学物質の毒性を生体分子,細胞,臓器,個体レベルでどのように評価を行うか,詳細に解説する.特に,細胞レベルの実験を行い,毒性の可能性について討議する.

注意

実験の都合で講義に出席できない場合は開講時間を配慮する.

目標

1.化学物質の物理化学的性質,化学反応性から細胞に対する影響を推定できるポイントを掴む.

計画

1.細胞死を調べる実験から解ること(死んでいる細胞,生きている細胞,死にかけている細胞の識別)
2.細胞のサイズの変化が意味するものは何か,細胞死との関連は.
3.死にかけている細胞とは何か?
4.実際に実験してみよう(細胞死を起こさせる化学物質での実験)(1)
5.実際に実験してみよう(細胞死を起こさせる化学物質での実験)(2)
6.実際に実験してみよう(細胞死を起こさせる化学物質での実験)(3)
7.細胞レベルから臓器レベルの影響を推定してみよう.
8.臓器レベルから生体レベルの影響を推定してみよう.
9.それらの推定にどれ程の意味があるか,考えてみよう.
10.君らの身近にある化学物質を用いて実験をしてみよう(1)
11.君らの身近にある化学物質を用いて実験をしてみよう(2)
12.君らの身近にある化学物質を用いて実験をしてみよう(3)
13.君らの身近にある化学物質を用いて実験をしてみよう(4)
14.細胞死を起こす濃度から何が推定されるか(1)
15.細胞死を起こす濃度から何が推定されるか(2)
16.毒性試験はどれだけの意味があるのか.

評価

化学物質の物理化学的特性,化学反応性から細胞毒性を論議できれば良い.基本的にはディスカッションの中で成績は評価する.

教科書

環境科学,毒性科学系の学術誌に掲載されている原著論文を資料として用いる.

連絡先

小山(3N06, 088-656-7256, oyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 講義後30分間·細胞情報学研究室(3N06)·oyama@ias.tokushima-u.ac.jp