2008年度 保健科学教育部 保健学専攻 医用情報科学領域 博士前期課程 — [選択] 1年

先端医用画像機器工学

Advanced Medical Imaging Equipment Engineering

教授・吉永 哲哉, 助教・藤本 憲市

2単位

目的

医用画像診断機器に用いられる画像再構成および放射線治療機器における強度変調放射線治療(IMRT)計画などの原理を理解し,機器開発·改良のための基盤となる知識を修得する.

概要

医用画像診断機器および放射線治療機器は数理科学,信号処理,電子工学の理論を医学分野へ応用した統合システムとして捉えることが必要である.X線CT,エミッションCT,MRIにおける画像再構成手法および放射線治療機器におけるIMRT計画の原理と演算アルゴリズムを基本から最先端の手法まで系統的に講述する.信号処理過程に非線形力学系理論を適用して,高速·高品質な画像再構成や効果的な治療計画を実現する最新の研究結果も解説する.

注意

一部のテーマについては理解を深めるためのウェブ教材を用意しており,インターネットを用いた遠隔地からの演習とレポート提出が可能である.

目標

1.MRI および CT における画像再構成法の数理を理解できる.
2.CT 画像の各種逐次再構成法の特徴を理解できる.
3.IMRT 計画の数理を理解できる.

計画

1.医用画像診断機器および放射線治療機器における数理科学
2.MRI - ブロッホ方程式による数理モデル
3.MRI - スピンワープ法による画像再構成
4.MRI - RAW データからの再構成の実際
5.CT - 放射または透過に基づく投影と投影切断面定理
6.CT - フィルタ補正逆投影法
7.離散時間非線形力学系の挙動と解析方法
8.CT - 逐次法 (ART)
9.CT - 逐次法 (EM 法)
10.CT - 逐次法 (OS-EM 法)
11.IMRT - 治療計画の目標関数
12.IMRT - 最適化問題
13.IMRT - 最適化勾配法の力学
14.IMRT - 最適化勾配系にみられる分岐現象
15.まとめ
16.試験

評価

試験80%,課題20%で評価し,全体で60%以上あれば合格とする.

教科書

なし

連絡先

吉永(保健学科棟B226, 088-633-9050, yosinaga@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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