免疫学 Ⅰ
Immunology(1)
教授・二宮 恒夫
1単位
目的
免疫とは,疫(病気)を免れる(排除する)という意味である.生体の病原菌や非自己のものを認識し,排除する巧妙な仕組みについて学ぶ.しかし,免疫反応がときに生体にとって有害な反応(アレルギー,自己免疫疾患)を引き起こすことがあり,それらの機序についても学ぶ.
概要
教科書を中心に,免疫学の理論や概念の基礎知識を教授し,微生物の体内侵入に対する防御機構,そのことに起因する生体の傷害機序について教授する.
キーワード
免疫担当細胞,抗原・抗体・補体,感染防御,自己免疫,アレルギー
注意
人の免疫機構の巧妙さ,特異性に興味をもって受講してほしい.
目標
1. | 1)免疫の基本的機序を例をあげて説明できる. 2)免疫担当細胞の種類と,役割を説明できる. 3)抗体の産生,基本構造,種類と機能を説明できる. 4)補体の活性化機構と役割,サイトカインの種類と相互作用を説明できる. 5)ウイルス,細菌,寄生虫,かびに対する感染防御機構を説明できる. 6)アレルギー(I型∼IV型)の発現機序を説明でき,それに起因する疾患をあげることができる. 7)自己免疫疾患の病態を例をあげて説明できる. |
計画
1. | 免疫とはー免疫が働いているわかりやすい例ー |
2. | 免疫担当細胞の種類と役割 |
3. | 抗体の産生機序 |
4. | 抗体の基本構造,種類と機能 |
5. | 補体の活性化と役割 |
6. | 細胞と抗体と補体の恊働作用 |
7. | ウイルスに対する感染防御機構 |
8. | ウイルス感染による生体への影響 |
9. | 細菌の種類の違いによる感染防御機構 |
10. | アレルギーI型の発現機序と,それに起因する疾患 |
11. | アレルギーⅡ型の発現機序と,それに起因する疾患 |
12. | アレルギⅢ型,IV型,Ⅴ型の発現機序と,それに起因する疾患 |
13. | 全身性自己免疫疾患の病態 |
14. | 臓器特異的自己免疫疾患の病態 |
15. | 先天性免疫不全症と続発性免疫不全症 |
16. | 試験 |
評価
講義7回終了後に第1回目の筆記試験(50点満点),定期の試験(50点満点),両者をあわせ評価する.
教科書
菅野剛史他編集:臨床検査技術学13;免疫検査学,医学書院.
連絡先
ninomiya@medsci.tokushima-u.ac.jp
- オフィスアワー: 二宮教員研究室(保健学科3階),昼食時あるいは17時∼18時